絵画学科油画専攻

既成概念の超越。多様な表現で新しい美を創造する。

美術はその時代に生きる人々の心の表現であり、また常に新鮮な創造の行為です。油画専攻は、建学以来いつの時代もそれぞれのムーブメントの先頭に立ち、新たな価値を社会に発信し続けています。特に戦後の日本現代美術界における「もの派」の卒業生たちの活躍は言うまでもありません。油画専攻は、絵画の造形力や思考力の修得を基本としながら、主体性と批判力を持って、これまでの概念では対応することができない時代を超えた新たな創造活動に挑戦する人材を育成します。

教育内容&課程

4年間を通じて、自由な創作活動を支える根源的な力を修得するため、1年次では、表現対象に対する観察力、描写力を鍛えると同時に、光・色彩・質感など造形の基本を学びます。2年次からはグループごとに複数の異なる課題に取り組みながら、独自の作風を探求します。さらに、課題提出ごとに開催される批評会を通じて、内なる思いを表現様式や言葉で他者に伝えるプレゼンテーション力も養います。3年次以降は、各個人の意識の中に培われた形を「芸術的な感動のかたまり」に表出させるための創作研究に取り組みます。どのグループを選択しても個々の自由な表現を尊重し、個別指導を中心としながら自立した表現者としての自覚をうながします。また、ギャラリー展示などの発表の場を通して、広く社会に向けて作品を発表する力を培います。

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  • 1年次

    課題制作を通して、観察力、描写力など表現者としての技法の基本を身につけます。「技法講座」では、テンペラ、銅版画、下地研究、映像、樹脂、陶芸、和紙、パフォーマンスから1つを選択し、理論に裏づけされた表現力を基礎から固めていきます。

  • 2年次

    引き続き、表現者としての技法を磨くとともに、批評会での議論や教員との対話を重ねながら、自らの表現を外からの視点で見つめ直し、求める方向性を次第に明確にしていきます。

  • 3年次

    教員の指導方法や自らのめざす表現をふまえて最終的にグループを選択し、卒業まで同じグループに所属します。担当教員とのきめ細かな話し合いに基づいて個別にカリキュラムを設計し、「自己表現とは何か」をより深く追究しながら、制作に取り組んでいきます。さらに、毎年グループごとに学内ギャラリーで複数回開催される展覧会に出展し、広く社会に向けて作品を発表する力を養います。

  • 4年次

    4年間の集大成として、卒業制作に取り組みます。制作は各グループの担当教員が指導しますが、他のグループの教員も求めに応じてアドバイスを行います。こうした多角的な視点からの指導を受けながら、作品の完成度を高めていきます。

各グループの特色

グループ1 担当教員:村瀬恭子(教授)、室越健美(教授)、日野之彦(講師)

グループ1では、美大とは個々の可能性を導き出す「場」として捉え、あらゆるジャンルに対応できるカリキュラムを用意しています。例えば1年次においてモデルを描く経験は、他のグループにはない特徴かもしれません。描くことにおいて、描写することが目的ではなく観察する目を養うことが重視されます。2年次以降、学生は様々な表現手段で自立した表現をめざします。時代の先取りよりも、表現によって自らの整合性を問う真摯な眼差しに対し、サポートを惜しみません。

グループ2 担当教員:菊地武彦(教授)、木嶋正吾(教授)、野田裕示(教授)、吉澤美香(教授)

美術におけるほとんどすべての様式が出そろった現在、新しいものがよいといった価値観は意味を失いました。その代わりに求められるのが、当たり前だと思われていた平凡な事物を違った角度から見直し、人々に世界の再認識の示唆を与えることです。そのためには多様な価値観を認め、感性を柔軟にしておく必要があります。教員のするべきことは、様々なジャンルの、個別の方向に進もうとしている学生の価値を認め、応援していくことだと思っています。

グループ3 担当教員:小泉俊己(教授)、中村一美(教授)、日高理恵子(教授)、栗原一成(准教授)

グループ3の授業では、学生が自作について語ることを重視しています。それは、自分が何をしようとしているのかを言葉にする力、あるいは自分を客観的に捉えようとする姿勢がなければ、現実感のある自立した作品にならないからです。芸術家に求められるのは、過去も未来も、さらに曖昧さをも引き受けた現在性によって、決断をする度に異なった新しい現実(芸術)を表現することです。教員と学生は、たがいに表現者として、「今」生まれるリアルな言葉をぶつけ合う関係でありたいのです。