また、生活の中に流れ込む情報のスピードはすさまじく、計り知れない量となっています。そうした状況において私たちは、一つ一つの情報や物事に対し視野を広め、柔軟な見方や考え方を持つことが必要になってくるのではないでしょうか。
今回、出展される作品は日常生活の風景や現象を用いて、新たなものの見方や驚き、感覚を生み出すという特徴を持っています。これらの作品たちは、
鑑賞者に物事に対する多様な見方や考え方、捉え方などを再発見させるきっかけになるでしょう。そして私たちは、その発見によりもたらされるものが、鑑賞者の日常生活にも作用していくことを望みます。
私たちにとって身近なモノであるタオルや歯ブラシなどから、都市のミニチュアを再構成する岩崎貴宏。羽根をモチーフにした作品で、儚く幻想的な世界を生み出す小松宏誠。私たちが良く知っているものや現象を元に、驚きと発見に満ちた作品を制作している鈴木康広。鮮やかな色彩を用いて光や音を視覚化し、キラキラとした躍動感のある表現を続ける曽谷朝絵。日常の風景の中で浮遊する写真を撮り続けている林ナツミ。私たちに馴染み深いものを、メディアアートを用いて、触覚、視覚、嗅覚などの感覚を刺激するplaplax。こうした作品群は私たちに何を気付かせてくれるでしょうか。