「ハートオープナー」展カタログ

こちらから展示風景などをまとめたPDFファイルを閲覧・ダウンロードして頂けます
ぜひご覧下さい!


はじめに、ステートメント






また、生活の中に流れ込む情報のスピードはすさまじく、計り知れない量となっています。そうした状況において私たちは、一つ一つの情報や物事に対し視野を広め、柔軟な見方や考え方を持つことが必要になってくるのではないでしょうか。 今回、出展される作品は日常生活の風景や現象を用いて、新たなものの見方や驚き、感覚を生み出すという特徴を持っています。これらの作品たちは、 鑑賞者に物事に対する多様な見方や考え方、捉え方などを再発見させるきっかけになるでしょう。そして私たちは、その発見によりもたらされるものが、鑑賞者の日常生活にも作用していくことを望みます。

私たちにとって身近なモノであるタオルや歯ブラシなどから、都市のミニチュアを再構成する岩崎貴宏。羽根をモチーフにした作品で、儚く幻想的な世界を生み出す小松宏誠。私たちが良く知っているものや現象を元に、驚きと発見に満ちた作品を制作している鈴木康広。鮮やかな色彩を用いて光や音を視覚化し、キラキラとした躍動感のある表現を続ける曽谷朝絵。日常の風景の中で浮遊する写真を撮り続けている林ナツミ。私たちに馴染み深いものを、メディアアートを用いて、触覚、視覚、嗅覚などの感覚を刺激するplaplax。こうした作品群は私たちに何を気付かせてくれるでしょうか。

● プレスリリース(PDFファイル)はこちらから観覧していただくことが可能です。











例年のようす




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「ときめき☆エンカウンター」(2006、秋葉原UDX・秋葉原)

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「感情の強盗」(2007、BankART・横浜)

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「ダブル・クロノス」(2008、瑞聖寺アートプロジェクト・白金台)

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「5+1 ジャンクションボックス」(2009、Vacant・原宿)

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「陸離として」(2010 、Sedona ・代官山)

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「DROP ME! 」(2011 、Nitehiworks・黄金町)

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「クラウド[cloud/crowd]~I’m here~」(2012、ギャラリーLE DECO・渋谷)

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「クラウド[cloud/crowd]~I’m here~」(2012、ギャラリーLE DECO・渋谷)

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「クラウド[cloud/crowd]~I’m here~」(2012、ギャラリーLE DECO・渋谷)

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「クラウド[cloud/crowd]~I’m here~」(2012、ギャラリーLE DECO・渋谷)








展示空間・参加する次世代のアーティスト





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鈴木康広/Yasuhiro Suzuki



1979 静岡県浜松市生まれ
2001 東京造形大学デザイン学科卒業
2008 個展「AerialBeing」(IERIMONTI Gallery/ミラノ)
   三宅一生ディレクション「XXIc.-21 世紀人」(21-21DESIGNSIGHT/東京)
   セビリアビエンナーレ2008(アルハンブラ宮殿/グラナダ)
2009 Digital Public Art Exhibition in Haneda
   「空気の港 テクノロジー×空気で感じる新しい世界」(羽田空港ターミナル/東京)
2010 瀬戸内国際芸術祭2010(香川)
2011 個展「BORDER-地球、まばたき、りんご、僕


鈴木康広はりんごやまばたき、ファスナーなど、私たちがよく知っているモノや現象 をもとに、驚きや発見に満ちた作品を制作している。 くるくると回り落ちる葉が「まばたき」をしているように見える《まばたきの葉》。 ファスナーの形をした船が水面を切り開いて進む《ファスナーの船》。シンプルであり ながら、思いがけないモチーフの結びつきによる作品は私たちを楽しませると同時に、 日常の事象を改めて再認識させるきっかけになっている。パラパラマンガから回転遊具 の映像インスタレーション、玩具や文房具などのプロダクトデザインも手掛け、幅広い 手法、メディアを用いジャンルを越えた制作を行う。 近年では、羽田空港を舞台にした大規模なパブリックアートプロジェクトや瀬戸内国 際芸術祭2010に出展するなどパブリックスペースで作品を展開、海外での展覧会にも 参加し、国内外で活動の場を広げている。

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林ナツミ/Natsumi Hayashi



1982 埼玉県生まれ
2005 立教大学文学部卒業
2007 立教大学大学院コミュニティ福祉学研究科博士課程前期課程修了
2012 『本日の浮遊』(MEM/東京)
2013 Today's Levitation(RICHARD LEVY GALLERY/アメリカ)
   『本日の浮遊』(スパイラルガーデン/東京)


林ナツミは日常の風景の中で浮遊する自身を撮影した、セルフポートレートのシリーズを制作している。2010 年の秋から撮り始められたこのシリーズは、 2011 年1月から自身のウェブサイトで公開されてきた。このシリーズはCG 合成を使わずに撮影されるため、浮遊写真を1枚撮るために200回以上のジャンプがおこなわれることもあるという。 浮遊写真には、重力から解放されることによって社会的なくびきからも解放され、何ものにも縛られない本当の自分を感じられるのではないかという思いが込められている。 本展覧会では、浮遊写真のシリーズをガラス面に投影することで、会場に面した街路を心地よい浮遊感で満たしていく。

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曽谷朝絵 / Asae Soya


1974 神奈川県生まれ
2000 東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了
2001 第6 回 昭和シェル石油現代美術賞展 グランプリ受賞
2002 VOCA 展 2002 - 新しい平面の作家たち VOCA 賞(グランプリ)受賞
2006 東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻にて美術博士号取得
2007 東京藝術大学大学院美術研究科 油画研究室 非常勤講師
2005 Art Today 2005(セゾン現代美術館/長野)
2010 鳴る色 -Ringing-(資生堂ギャラリー/東京)
2012 親子で旅する展覧会(府中市美術館/東京)
2013 VOCAの20年 1994-2012(上野の森美術館/東京)
2013 宙色 -そらいろ-(水戸芸術館現代美術ギャラリー/茨城)


鮮やかな色彩を用いた絵画、インスタレーションなどの多岐にわたる領域でファンタジックな作品をつくり出すアーティスト。 日常生活の中にある様々な出来事に繊細なまなざしを向け、身のまわりの品々やふとした日々の光景を幻想的に表現している。 日向から日陰に入った時や、水の中に潜った時など、自分の位置関係はそのままに世界が変わっていくような、そうした日常を少しずらすことで生まれる非日常的な瞬間を写しだす作品を制作している。 音を奏でるように色を用いる彼女の作品は、鑑賞者の視覚を超えた身体感覚を刺激し、身体が光に包まれたような錯覚を呼び起こす。それらの作品は自ら光を放つ仕掛けでもあるかのように、 ゆるやかに広がる柔らかな光や色彩と躍動感に溢れている。虹のように色彩豊かに多様な煌めきを放つ作品は、瑞々しい輝きの印象を私たちに与えてくれる。

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小松宏誠/Kosei Komatsu


1981 徳島県生まれ
2006 東京芸術大学 大学院 美術研究科 修士課程 修了
   現在 アトリエオモヤ所属アーティスト
   東京大学大学院 情報学環 非常勤講師
2006 現象からの新しいかたち(和田画廊/東京)
2009 NO MAN’S LAND(旧フランス大使館・本館/東京)
2010 Secret Garden Ginza Mitsukoshi Edition(銀座三越9F テラスコート/東京)
2010 釜山ビエンナーレ ‘Living in Evolution’(釜山ヨットセンター/釜山、韓国)
2012 Buck to the Nature(FUMA CONTEMPORARY TOKYO/東京)


小松宏誠は主に鳥の羽をモチーフにした作品を制作しているアーティストである。羽で作られた花のシリーズ作品、重力に逆らうかのようにふわりと浮かんだ羽が空中でくるくると回り続ける作品など、 鳥の羽の特性や構造を生かした繊細で幻想的な作品を生み出してきた。本展覧会の出展作品《Lifelog_シャンデリア_5》は、ガチョウの羽の輪が連なってできたシャンデリアである。 鳥の羽という有機的な素材を用いることで、光の加減や角度によって一枚一枚の羽がその表情を変え、美しく華やかな表情を見せる。また、それぞれの羽の輪は風を受けると回転し、 ゆっくりとした時間の流れと心地よい空間を生み出す一方、青白い光によって映し出された影は神秘的で、鑑賞者に清澄さとほどよい緊張感を感じさせる。鑑賞者はこの心地よさと緊張感の狭間に立つことで、非日常的な空間を体験することができる。

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岩崎貴宏 / Takahiro Iwasaki


1975 広島県生まれ
2003 広島市立大学芸術学研究科 博士後期過程修了
2005 エジンバラ・カレッジ・オブ・アート(イギリス) 大学院修了
2007 六本木クロッシング2007:未来への脈動(森美術館/東京)
2009 第10 回リヨン・ビエンナーレ 日常のスペクタクル(リヨン現代美術館/フランス)
2010 個展 フェノタイピック・リモデリング(アラタニウラノ/東京)
2011 ヨコハマトリエンナーレ -Our Magic Hour- 世界はどこまで知ることができるか?(横浜美術館/神奈川)
2012 ダブル ビジョン:現代日本美術展(モスクワ市近代美術館/モスクワ)


タオルなど見慣れた日用品に手を加えて、繊維質なものを解きほどいてミニチュアの風景を再構築するインスタレーションを制作。 素材に髪の毛や糸、埃などを用いて紡ぎだされるミクロの世界は、心はずむようなユニークな驚きとともに、日常となった風景を少し引いた視点から見つめ直すような感覚を与える。 この人工的なミニチュア都市は、素材を再構成することで生じるズレを増幅させ、どこかで見たことがあるような擬似風景を思わせつつ、実現することのない仮想都市をも想起させる。 入れ子構造にマテリアルを組み替えながら織り成される作品は、マテリアルと作品の明確な境界がなく、どこか非日常的でおぼろげな印象をもち、思わず目を凝らしてしまう。

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plaplax

◎近森基/Motoshi Chikamori
1971 東京都生まれ
1998 筑波大学大学院芸術研究科修了
◎久納鏡子/Kyoko Kunoh
1972 東京都生まれ
1997 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了
◎筧康明/Yasuaki Kakehi
1979 京都府生まれ
2007 東京大学大学院学際情報学府 博士課程修了 博士(学際情報学)
◎小原藍/Ai Ohara
1979 東京都生まれ
2003 武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業

2005年 Ombres et Lumière(Centre Pompidou / Paris, フランス)
2007年 Ars Electronica Center Exhibition(Ars Electronica Center / Linz, オーストリア)
2009年 NO MAN'S LAND(在日フランス大使館・旧館/東京)
2011年 SIGGRAPH2010(Los Angeles Convention Center / Los Angeles, アメリカ)
2013年 個展 ハナハナのハナ - 香りのカタチ -(ポーラミュージアムアネックス/東京)


1996年頃から近森と久納でコラボレーションを開始し、2000年にminim++を結成。2002 年に筧が加わる。現在は小原も含めた4人で主にイン タラクティブアート分野での作品制作を行っている。また企業や大学との共同研究、公共空間や商業施設の演出なども手がけている。 彼らは多くの人にとって馴染み深いモノや現象、例えば石ころ、花、影などのモチーフを用い、触覚、嗅覚、視覚などの私たちの感覚を刺激する。 作品は暖かく愛らしい表現で、子供から大人まで幅広い年代の鑑賞者の好奇心を沸き立たせる。鑑賞者は彼らの作品を見ることで、普段私たちにとって身近なモノ を新たな姿で体感し、それらを再認識するとともに新たな感覚を発見する。本展覧会においてもplaplaxの作品は会場に訪れる人に、笑顔とともに驚きと発見を与えるだろう。








会 場 に 選 ん だ S H I B A U R A H O U S E は 普 段 、 ア ー ト ギ ャ ラ リ ー で は な く 、
コ ミ ュ ニ テ ィ ス ペ ー スと し て 使 用 さ れ て い ま す。

透明感、開放感にあふれる空間を設計したのは世界的に著名な妹島和世氏。レンタルスペースとしても開放されており、ワークショップやセミナーなど、様々なイベントが開催され、多くの人々が足を運んでいます。


そして、全面ガラス張りの開放的な空間は、誰もが気軽に寄り道出来る場所であるといえます。私たちはそのような開かれた交流の場に展覧会を出現させることによって、幅広い年代の人が日常の中でアートと出会うことを期待します。私たちは本展を通して、日常の中に密着した場所で日常から 少しだけ違った体験をすることで、新たな想像力が芽生えることを願います。

photo:Forward Stroku Inc.










交通案内








JR 田町駅芝浦口より徒歩7 分 都営三田線・浅草線 三田駅A4 出口より徒歩10 分

お車でご来場の際は、近隣の有料駐車場をご利用ください。

〒108-0023 東京都港区芝浦3-15-4










CPUEについて





= CPUE(Curatorial Practice in the Urban Environment)では、長谷川祐子教授のもと、都市の中で展覧会をつくるというキュレーションの実践を通じて、 現代アートと人々を結びつけることを意図しています。


当ゼミの特色は、展覧会のための場所選び、作家選定、展覧会テーマの設定などをはじめ、予算の振り分け、フライヤーデザイン、広報活動、企業への協賛打診といった、展覧会運営を取り巻く、ありとあらゆる業務を学生主体で執り行うという点にあります。一般の方々に広くアートに触れてもらい、より豊かな対話が生まれる場所づくりから展覧会を構想しており、展覧会は毎年違う地域で開催されます。


1 回目の「ときめき☆エンカウンター」(2006、秋葉原UDX・秋葉原)を皮切りに、「感情の強盗」(2007、BankART・横浜)、「ダブル・クロノス」(2008、瑞聖寺アートプロジェクト・白金台)、「5+1 ジャンクションボックス」(2009、Vacant・原宿) 、「陸離として」(2010 、Sedona ・代官山) 、「DROP ME! 」(2011 、Nitehiworks・黄金町)、「クラウド[cloud/crowd]~I’m here~」(2012、ギャラリーLE DECO・渋谷)など、場所の特性を活かした展覧会を企画してきました。それぞれの場所性を通じて、作家と共に展覧会をつくりあげていくことを目指しています。


長谷川祐子(CPUE 担当教授)

批評を基幹に据える国際派キュレーターとして活躍。

東京都現代美術館チーフキュレーター、多摩美術大学美術学部芸術学科教授、グッケンハイム美術館

アジアカウンシルボードメンバー 美術評論家連盟会員。


岡田公彦(空間アドバイザー)

建築家/岡田公彦建築設計事務所








お問い合わせ





〒192-0394

東京都八王子市鑓水2-1723

多摩美術大学美術学部芸術学科研究室内 展覧会設計ゼミ

Tel:042-679-5627(芸術学科研究室直通)

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