up date(更新)2010.12.10
Copyright ©2004 by Takashi Akiyama100年の風シンボルロゴ |
|
創立100周年記念モニュメント「百年の風」正面 |
|
「百年の風」アイデアスケッチ1 |
「百年の風」アイデアスケッチ2 |
「百年の風」アイデアスケッチ3 |
|
「百年の風」アイデアスケッチ4 |
「百年の風」完成予想スケッチ |
「百年の風」完成イメージ |
|
「百年の風」パーツアイデアスケッチ1 |
|
「百年の風」パーツアイデアスケッチ2 |
|
プロジェクトミーティング、手前より、斎藤、秋山、高田 |
|
設計会議 |
|
>設計会議 手前より、宮里、栗原、岡田、安並 |
|
ジョイント部設計(設計図と実物) |
|
原寸サイズ部分模型、風力実験 |
|
組み立てリハーサル、測定 |
|
組み立てリハーサル、ジョイント部・締め |
|
組み立てリハーサル、算盤の玉部結合 |
|
組み立てリハーサル、各部所確認 |
|
設置、クレーン、モニュメント吊り上げ |
設置、ボルト挿入 |
除幕式、挨拶、秋山 |
|
創立百周年記念誌 長商 |
●なぜ「百年の風」なのか
創立100周年記念事業実行委員会から創立100周年記念モニュメントの依頼を受けた。ぼくには大変な重荷と責任感をかけられ、事の重大さにおののいた。それは、100年間に渡る指導者と学生達の「理想と夢」を形にしなければならない。長岡の歴史の一つを背負うような思いにかられた。100年間の思いを象徴的メッセージにし、モニュメントで残さなければならないからだ。イメージとして最初に浮かんだのが校歌で、何度も口ずさんでいるうちに、ぼくがその歌詞の内容を把握せずただ文字面だけをなぞっていたことに恥ずかしさを覚えた。そこには北越戊辰戦争の敗北から立ち上がろうとする長岡市民の強い意志を読み取った。発想は100年間の時代と精神を風で感じ、100年間を理解することと、その魂を未来に向けて希望のメッセージとして送らなければならないという考えに至った。それが自立した「士魂と商才」をおおらかに天に告げる「100年の風」というタイトルになった。
●「風を感じる」「風を聞く」「風を知る」制作コンセプト
風は形を持っていない時空を過ぎる時間だ。そこに人々が生き、そして終える。その100年間の営みを商業の永遠としてとらえた。そして形に置き換える作業を試みた。それが算盤の玉の形だ。しかし時代は変化し、生まれ変わっていためく調和の美を表す可能な限りバランスのとれた構造を核として持ち込み形状化した。算盤の形状をモチーフとし、1つの算盤の玉に10年間を意味する10個の玉を入れ100年間を意味している。それを天にそびえ、さらに成長する未来を形造った。ステンレス製、重さ240kg、高さ約5.2m(台座含む)が台座上の一点に加わり、外枠4本のワイヤーで自立している。「テンセグリック・システム」という接触・連結する圧縮材を連続的な張力ストリングで統合・安定化させるシステムを活用した。斎藤公男工学博士の命名したもので、空間構造における最先端の技術を採用した。その結果、想像を絶するバランスと調和の美「百年の風」モニュメントが長岡に誕生した。
●「百年の風」プロジェクト制作の経緯
上記にあるよう100年の風は風が通り抜けることによってのみ風を知ることができる形を実現するためにアイデアスケッチを重ねた。現実空間には重力や風力それに自然から突然出現する地震または豪雪などの自然がある。その困難をどのように克服し立体造形として成立させる問題点を研究した。多難の旅立ちであった。この造形に携わった高田清太郎氏のアドバイスによって「百年の風」プロジェクトが斎藤公男日本大学名誉教授+日本大学理工学部建築学科空間構造デザイン研究室(LSS)が立ち上がった。そこには製作として(株)高田建築事務所、栗原製作所、神鋼鋼線工業株式会社が協力した。プロジェクトチームでは現地視察、モニュメント制作方針検討、フレームと玉取り付けジョイント部分検討、施工計画検討、模型作成、試作品確認、モニュメント組み立てリハーサル、基礎工事着工、日大八海山セミナーハウスにてモニュメント組み立て、現地搬入、設置の経緯を経てこの100年の風モニュメントが完成した。
●「百年の風」の魅力
創立100周年記念モニュメント「百年の風」は、制作の段階から不可能を可能にする知恵と情熱のコラボレーションで、アイデアから実現までのプロセスは、感動の連続であった。それぞれの能力が結集して生まれた。創造の魅力とはこうゆうものだとモニュメント「百年の風」を仰ぎ見れば実感できると自信を持って言える。
そしてぼくは、「百年の風」プロジェクトに関わった高田清太郎氏はじめ斎藤公男日本大学名誉教授、日本大学理工学部建築学科空間構造デザイン研究室(LSS)の先生と学生たち、(株)高田建築事務所、栗原製作所、神鋼鋼線工業株式会社、さらに、創立100周年記念実行委員会のみなさまに心より感謝する次第である。