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須藤一郎と世界一小さい美術館ものがたり 2020年10月10日(土)〜12月6日(日)

菅創吉《壺中》1975年


 画家 菅創吉作品との出会いが天啓となり、須藤一郎(1936−)は会社員としての生業を全うしながらも、そこから現代美術のコレクションに目覚めてしまう。
 蒐集した作品群は抗し難い力で心を引き込み、その魅力を分かち合う場として自宅を美術館として開放するに至った。「すどう美術館」の誕生である。妻・紀子(2020年1月逝去)と共に蒐集・公開を充実させながら、やがて須藤の思いは若手画家の公募展や留学制度、アーティスト・イン・レジデンス等の作家支援、そして東日本大震災の被災地等で継続する芸術による社会活動へと展開してゆく。作品蒐集や美術館の域を超えた様々な活動を経て、須藤は「絵よりもっと大事なのは人間との関係」と言う。「すどう美術館」開館から今年で30年、須藤の営みは作品・作家との共振であり芸術の力を信じた心の旅だった。今もそれは進み続いている。本展はひとりのコレクターが妻と共に歩み、作品と作家そして多くの人々や社会と響き合ってきた姿の軌跡である。この困難の時代に人の心を動かし人を繋ぐ芸術の力をお届けしたい。

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展示風景



小山田二郎《舞踏》1987年
星崎孝之助《沙漠の花》1990年

小山田二郎《舞踏》1987年

星崎孝之助《沙漠の花》1990年



田口雅巳《極楽繁盛図》1988年
谷川晃一《ナナの音楽》1989年

田口雅巳《極楽繁盛図》1988年

谷川晃一《ナナの音楽》1989年



若林奮《BLACK COTTON No.7》1989年
河野扶《閉じる(2) 》1998年

若林奮《BLACK COTTON No.7》1989年

河野扶《閉じる(2) 》1998年



菅創吉《赤いセーター》1979年

菅創吉《赤いセーター》1979年



大沢昌助《点の配列》1987年
菅創吉《たつのおとしご》1981年

大沢昌助《点の配列》1987年

菅創吉《たつのおとしご》1981年


所蔵:すどう美術館


須藤一郎

須藤一郎(すどう いちろう)

1936年東京生まれ。東京大学法学部卒。サラリーマンとして勤務しながら現代美術の蒐集をする。1990年10月より町田の自宅を開放し、妻・紀子と共に「すどう美術館」を開館(後に銀座、小田原へ移転)。同館館長。現在は、ギャラリー等での展示やアーティスト支援活動などを行っている。
すどう美術館HP http://www.sudoh-art.com


関連イベント

【オンライン・イベント】
須藤一郎は作品展示のみならず様々な芸術形態を複合させることも、美術館活動の重要な柱であると捉えていました。「すどう美術館」の活動は、展覧会から講演会・講座・シンポジウム等からコンサート・演劇・朗読・落語会へと広がりを見せ、東日本復興支援へと展開していきます。人間と人間のひびきあいの瞬間を生んできた須藤のアートコラボレーションの活動を本展で再現し、オンライン動画にてより遠くへ、そして多くの方々へお届けします。
※イベントの詳細は随時発表いたしますので、当館HPおよびTwitter(@tamabi_museum)をご覧ください。動画はYouTubeの多摩美術大学美術館公式チャンネルにて順次更新予定。


◆対談「まず、やってみよう。」

須藤一郎 仙仁司

すどう美術館館長 須藤一郎 × 美術批評家 仙仁司

開館以前から30年以上に渡り、「すどう美術館」の活動を導き、支えてきた美術批評家の仙仁司(元多摩美術大学美術館学芸員)。仙仁と須藤一郎の長きに渡る交友で初となる対談が実現します。須藤と妻・紀子(すどう美術館副館長)の菅創吉との出会いや作家との共鳴、そして多くの人々の賛同を得てきた須藤夫妻の目指したこと等、活動と志のヒストリーを開示します。

第1章 邂逅–菅創吉との出会い 第2章 蒐集−進化するコレクション

第1章 邂逅–菅創吉との出会い

第2章 蒐集−進化するコレクション

第3章 支援−若き作家達へ

第4章 交流–アーティスト・イン・レジデンス

第3章 支援−若き作家達へ

第4章 交流–アーティスト・イン・レジデンス


◆すどう美術館コレクションと一緒に観て聴く落語会

立川志らら

出演 落語家 立川志らら

「すどう美術館」が銀座にあった頃、立川談志の孫弟子四人で「四人の真剣勝負」という落語会が定期的に開催されました。「すどう美術館」が小田原に移転してからも、立川志ららによって落語会は続けられました。
須藤と長い付き合いがある志ららによる落語会では、すどう美術館館長の新たな一面が語られるかもしれません。

すどう美術館コレクションと一緒に観て聴く落語会

すどう美術館コレクションと一緒に観て聴く落語会


◆聴く絵画鑑賞〜絵画からうまれた物語〜

御幸菜穂子

出演 朗読 御幸菜穂子

「すどう美術館」のコレクションのうち星崎孝之助《沙漠の花》、小山田二郎《舞踏》からインスピレーションを受けて、語り手である御幸菜穂子自身が「言葉」によって「物語」を紡ぎます。彼女の声からは作品と誠実に向き合い、多くの時間を重ねたことで産まれた言葉が聞こえてきます。芸術の鑑賞は見る者に委ねられた体験でありながら、同時に、鑑賞者の間にも作品を媒介とした多くの「対話」が生まれるでしょう。

小山田二郎《舞踏》
わたしはまだ生きている〜星崎幸之助《沙漠の花》からうまれた物語〜

小山田二郎《舞踏》

わたしはまだ生きている〜星崎幸之助《沙漠の花》からうまれた物語〜

ある大地のものがたり〜星崎幸之助《沙漠の花》からうまれた物語〜
 

ある大地のものがたり〜星崎幸之助《沙漠の花》からうまれた物語〜

 


◆汚れていて美しい絵物語

泉田洋子

出演
朗読 泉田洋子
ヴァイオリン 甲斐史子
コントラバス 佐藤洋嗣


須藤一郎は、表面的な美やきれいごとではなく、その人の生き方や心が現れているもの ―本展出品作家である河野扶の言葉を借りるならば「汚れていて 美しい絵画」こそ、人の心を動かすのだと考えていました。詩・絵画・音楽という異なる芸術の形を織り合わせて広がる芸術の風景。絵画世界に触発する泉田洋子の声、そして甲斐史子のヴァイオリンと佐藤洋嗣のコントラバスが奏でる音楽の響きをお楽しみください。

汚れていて美しい絵ものがたり

汚れていて美しい絵ものがたり


◆絵の森のコンサート 〜私たちのげんきアート・プロジェクト〜
大鹿由希 甲斐史子 橋爪晋平 渡辺康仁 佐藤洋嗣

出演
ヴァイオリン 大鹿由希
ヴァイオリン 甲斐史子
クラシックギター 橋爪晋平
ヴィオラ 渡辺康仁
コントラバス 佐藤洋嗣


2011年3月11日東日本大震災の後、「すどう美術館」が事務局となり、画家・演奏家・ボランティアと一緒に「東日本げんきアートプロジェクト(GAPPE)」を立ち上げました。美術・音楽で何かできることはないか、被災地へ芸術活動を通じて元気を届けたいという思いから、美術家・音楽家たちが集まりました。コンサート会場はいつもたくさんの絵で飾られ、失われた街の風景に生まれた小さな森のようでした。これまで行ってきた大鹿由希・橋爪晋平に新たなメンバーを迎え、5人の楽器が奏でる音楽と絵画のコラボレーションをお届けします。

絵の森のコンサート(第1部)〜私たちのげんきアート・プロジェクト〜 絵の森のコンサート (第2部)〜私たちのげんきアート・プロジェクト〜

絵の森のコンサート(第1部)
〜私たちのげんきアート・プロジェクト〜

絵の森のコンサート(第2部)
〜私たちのげんきアート・プロジェクト〜

絵の森のコンサート(第3部)〜私たちのげんきアート・プロジェクト〜

絵の森のコンサート(第3部)
〜私たちのげんきアート・プロジェクト〜


(NEW)◆「東日本げんきアートプロジェクト」活動のご紹介

【前編】「東日本げんきアートプロジェクト」活動のご紹介 【後編】「東日本げんきアートプロジェクト」活動のご紹介

【前編】「東日本げんきアートプロジェクト」活動のご紹介

【後編】「東日本げんきアートプロジェクト」活動のご紹介

出演
煖エ玉恵(すどう美術館スタッフ)
須藤一郎(すどう美術館館長)
朝比奈賢(美術作家)
宮塚春美(美術作家)
大鹿由希(ヴァイオリン奏者)
橋爪晋平(クラシックギター奏者)

2011年3月11日の東日本大震災の後、音楽・美術で何かできることはないか、被災地へ芸術活動を通して元気を届けたい、という思いから音楽家、美術家の有志が集まり、すどう美術館が事務局となって、活動は始まりました。
震災後から被災地の情報収集を行い、メンバーで話し合いを重ね、チャリティ展やチャリティコンサート、また多くの方々のご寄付等により基金を集め、被害の大きかった岩手県の大槌町に2012年から2017年にかけてお伺いし、展覧会とコンサート、ワークショップなどを行ってきました。
会場にはたくさんの方がいらしてくださいましたが、その他にも地元の中学生や、ボランティアで来られている方々などとも交流が生まれ、現地のみなさんと関わりを持ちながら、活動はその後も続いています。
今回は、GAPPEのメンバーが被災地でのことをふり返るとともに、この活動を今後どのように生かせるか、それぞれの思いをお話しします。



カタログ

開催にあわせカタログを販売します。通信販売をご希望の方は、現金書留にて承りますので、お電話かメールにてお問い合わせください。

須藤一郎と世界一小さい美術館ものがたり 須藤一郎と世界一小さい美術館ものがたり

価格:2000円(別途、送料がかかります)
2020年発行、24.0×18.7cm/148ページ





Series:コレクターズ/Collectors

蒐集(しゅうしゅう)の域を超えてアートとの関わりを生み、自らの志を波動として周囲へ影響を与えるような「コレクター(=蒐集家)」たちがいます。当館では、作家や作品と一体となってアートシーンを描き出すコレクターの存在を取り上げる「コレクターズ」シリーズを立ち上げます。作家を支えつつ社会へアートの息吹を送る彼/彼女らは、将来アートシーンで活躍するであろう美術大学の学生にとっても非常に重要な存在です。本シリーズでは、作品蒐集の背景にあるコレクターのまなざしや個人のライフストーリーを辿りつつも、蒐集という行為そのものが社会をより充実させるための営みであると捉えることで、「社会におけるコレクターが果たす役割」を再考します。本展はその第1回目となるものです。


主催:多摩美術大学美術館
協力:すどう美術館

休館日◎火曜日[※11/ 3(火・祝)は開館、11/ 4(水)は休館]
開館時間◎10:00〜17:00(入館は16:30まで)
入館料◎一般300円(200円)
※( )は20名以上の団体料金 ※障がい者および付添者、学生以下は無料

〒206-0033 東京都多摩市落合1-33-1
電話◎042-357-1251
交通◎多摩センター駅 徒歩7分 (京王相模原線・小田急多摩線・多摩モノレール)

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