光の粒

久保 ゆりか

作者によるコメント

何かがドボンと落ちたような泡を水の中でただみていられるような空間を目指しました。水を使わずに水を表現することにこだわり製作しました。

担当教員によるコメント

静かな海に飛び込んだとき、水の中で自分の周囲が泡立っていく感覚といえば伝わるだろうか?久保は水を用いずに「水の空間」を表現することにこだわり続けた。黒いワイヤで結びつけられた膨大な量のビーズに、わずかな光だけが当てられ、闇の中にフワリと浮かんでいる。キラキラと光る粒たちが漆黒の周囲に溶け込んでいく様は、見るものを水の中へいざなう。光の粒が主役ではあるが、余白をどのようにコントロールしていくかに細心の注意が払われたことで、見事に「空間」が立ち現れた。

准教授・橋本 潤