小惑星05-ME

板橋 里緒菜

作者によるコメント

身近な宇宙空間写真
私たちの身近にあるごく当たり前に目にする光景は、小さな生き物から見れば壮大な風景であり、その空間が一つの惑星空間のように見えているのかもしれません。それは食べ物に集まる虫、お米に大量発生するコクゾウムシから見たお米の山は、もしかしたら資源豊富な新惑星のように見えているのかも…。私の来世の夢は宇宙に行くことです。今世の私は、このとても小さな宇宙空間に想いを馳せて作品を作りました。

担当教員によるコメント

通常カメラの接写用マクロレンズは、被写界深度が深く設定できません。ピントが極端に浅いし、画角も狭いんです。そこで板橋里緒菜は、カメラのピントを少しずつ後方へずらしながら膨大な量の米の撮影をし、それらを、こつこつと合成することで、実際の砂漠で撮影したのと同じような体感をミクロの世界で実現させることに成功しました 。一見何気ない写真のように見えますが、紛れもない力作です。広大に広がる小惑星05-ME の臨場感は、実際の大きな作品プリントと対峙すれば、誰もが感じる事ができるでしょう。個人的には別案ブロッコリーの惑星も、是非見てみたいと思います。

教授・大貫 卓也