doppelganger

岡田 有紗

作者によるコメント

ドッペルゲンガーのグラフィック
この世には自分の顔に似た人(ドッペルゲンガー)が存在する。自分と同じ顔をしているのに、その人達には自分とは異なる趣味、思考、生活、喜び、生き甲斐が存在する。そういったちぐはぐな面白さを紙の表裏を利用し、自分以外のドッペルゲンガーを10人に設定したものをビジュアル化した。

担当教員によるコメント

自分と同じ顔なのに、人種も趣味もちがう人たちが地球上に10人いて、それぞれの境遇で様々な人生を送っている。岡田有紗さんは、そんな文学的な奥行きを持った世界を、造形力をフル活用して、壮大なグラフィック作品として組みたてた。松の木もアイスクリームも犬も料理も、全てのフォルムがとてもユニークで楽しい。岡田さんは、リアルタイムでは知るはずのない1960年代、70年代、80年代、90年代のカルチャーをたっぷり吸収してきたのではないかと想像する。作品の背後にいつもそういう豊かな土壌を感じる。今回の作品は、その一断片に過ぎない。今後、さらに様々な表現方法を身につけ、岡田さんならではの世界を提示して驚かせてくれることを期待する。

教授・服部 一成