「○○恐怖症」とその研究記録
北村 知美
作者によるコメント
人それぞれに怖い物がある。私は、ヒガンバナがとても怖い。私のように、可愛らしい物や美しく見える物でも恐怖を覚える人がいる。このような恐怖は、他者に理解されにくく、場合によっては笑われたり、からかわれたりしてしまう。しかし、それは当人にとって恐ろしい化け物や幽霊のようなものなのだ。この恐怖を少しでも理解してもらうために、怖い物を「〇〇恐怖症」と例えることで、同様の恐怖を抱える人々の存在を示し、他者に受け入れられるように表現をした。
担当教員によるコメント
私的な怖さを他者が共感するように伝えるにはどうしたらいいのか?この個人的体験から展開し、のべ60人の怖い事例をインタビューにより収集している。その上で、怖さを感じる表現として手に取れる展示作品にまとめている。本作のテーマは、多くの人に何かを共感的に伝えるにはどうしたらいいのか?というデザインの根源的なテーマを孕んでおり、一つの作品としてまとめるのが難しい。しかし、試行錯誤を続けて自分らしい作品として完成させている点は見事である。インタビューを編集した文章力も高く、イラストやオブジェ、写真など一つ一つが丁寧に、且つ怖く仕上がっている点も良い。怖い体験を暗唱するプレゼンテーションも、練習を重ねて引き込まれる仕上りになっている。
准教授・矢野 英樹
- 作品名「○○恐怖症」とその研究記録
- 作家名北村 知美
- 作品情報インスタレーション
技法・素材:木、紙、イラスト、Photoshop など
サイズ:H600×W2400×D900mm - 学科・専攻・コース
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