卒業制作優秀作品集2017
情報デザイン学科

釣瓶 昂右

日本美から考える、コンポジション生成原理の探求

グラフィック
技法・素材:インクジェットプリント、和紙
サイズ:H910×W910mm、H1290×W1290mm、H2457×W2457mm

日本美とは、ぼやけた抽象的概念と捉えがちである。論理で説明しきれない雰囲気や想像的な感覚を重んじる。だがその中でも日本文化に散りばめられた構造的なものは存在していた。発見した手がかりから、日本の美意識を考察し、論理によって構築された日本美といえるビジュアルを見てみたいと思った。白銀比から独自に編み出したグリッドを基盤とし、そこに感覚的概念を加えたときにどのようなコンポジションが生成されていくのか。私が日本に対して独自の思考を持ち、ロジックと感覚でその方法論と生成原理を探る。

担当教員によるコメント

「日本の美意識」を論理的に解釈し、構造的な視覚表現へと昇華させることで独自の方法論を生み出したい。そんな強い動機から始まった本作は、様々なリサーチと試作を踏まえた結果、白銀比を用いた構成方法に辿り着く。5対7の比率によって作られた3種類のグリッドを“ずれ”や“ねじれ”を加えて段階的に重ねたフォーマットに、日本独自の技法である「垂らしこみ」を加えることによって、空間性や時間性を伴う独特のコンポジションが浮かび上がった。グリッドとは誰でも同質のものを生産できるシステムだが、一方で「垂らしこみ」は同じ状態を繰り返せない技法である。“再現可能なシステム”と“一回性の表現”が等価に織り込まれた本作は、論理と感性が重なるところに視覚表現の本質があることを示している。

講師・中野 豪雄

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