カルーセルウォーターリリー, 人形

宮山 香和

担当教員によるコメント

宮山さんは制作する上で人間に興味があると自覚している。人が好きだと言うことが描くモチベーションになっているが、宮山さんは人を直接描かずに間接的に人の気配を感じさせる図像を選ぶ。「人形」は、マトリオシカが誰かによっていたずらっぽく並べられた痕跡を描いた。「カルーセルウォーターリリー」は、父親と自分が写ったスナップショットをもとに、母の視点を通して描き、画面に描かれていない母の存在をほのめかせた。描くものを別の何かに置き換えることによって、想像の広がりを獲得しようとしている。描き方においては、図像の表面を省略して、全てのものをつるっとした均一な質感に変えるところに、宮山さんがつくり出すイメージの固有の面白さがある。今後よりいっそう印象的な絵を描くことを期待している。

講師・日野 之彦

  • 作品名
    カルーセルウォーターリリー, 人形
  • 作家名
    宮山 香和
  • 作品情報
    『カルーセルウォーターリリー』
    素材・技法:油彩、キャンバス
    サイズ:H194×W259cm

    『人形』
    素材・技法:油彩、キャンバス
    サイズ:H112×W162cm
  • 学科・専攻・コース