在処, かたち
矢島 智美
担当教員によるコメント
私たちの足元には地面がある。目に見えるのは土や草などの表層であるが、ほんの数センチ下には石ころや根っこや虫やミミズや微生物がどれほど存在することであろう。深く進むほどにさまざまな堆積物があり、昔々の地層がある。想像できないくらいの時の間にここで起きたありとあらゆるものごとがこの足の下にはあるのだ。矢島智美の作品は豊かな大地に立つように気持ちがいい。絵具が厚く塗ってある絵を前に無条件降伏のような気持ちになるのは、私たちがそこに、表層に見られる表現に至るまでに、現れては消えたイメージがあった瞬間に思いを馳せ、作家が絵画と向き合う時間に立ち会うような熱い共感を覚えるからではないだろうか。
教授・吉澤 美香
- 作品名在処, かたち
- 作家名矢島 智美
- 作品情報『在処』
素材・技法:油彩、キャンバス
サイズ:H259×W194cm(2枚組)
『かたち』
素材・技法:油彩、キャンバス
サイズ:H130.3×W162cm - 学科・専攻・コース
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