A
鈴木 大介
A. Red Painting
素材・技法:油彩、キャンバス サイズ:H259×W582cm
B. Yellow, Red, Blue
素材・技法:油彩、キャンバス サイズ:H162×W130.3cm
担当教員によるコメント
鈴木は自作について、「一見失敗にみえることを受け入れて、新しい発見をし続けることができた」と語っている。創作活動において、成功/失敗といった二項対立的思考に偏り、自らの世界を狭め閉じてしまうことは往々にしてあることだ。そしてその結果、作品は他者の存在を無視したご都合主義的な表現となりうる。そのような状況を乗り越え自らを開いた世界に導くことは、そう容易いことではない。しかし、鈴木は卒業制作を通して真っ向からこの難問と向き合ったのである。失敗と判断したものを受け入れる行為とは、今まで自分自身が培ってきた表現に対する価値やこだわりを疑い解体することだ。それは価値基準を見失うことかもしれないが、そもそも価値基準とは固定することなく変化するものであったはずではないか。そして鈴木は、その変化に幾度となく反応しつづけ、それは自分の都合に合った理屈が機能しないほどの負荷であったに違いない。そうしたぎりぎり感が他者を呼び込み、鈴木の流動的な絵画空間を生み出したのだ。
准教授・栗原 一成
担当教員によるコメント
鈴木は自作について、「一見失敗にみえることを受け入れて、新しい発見をし続けることができた」と語っている。創作活動において、成功/失敗といった二項対立的思考に偏り、自らの世界を狭め閉じてしまうことは往々にしてあることだ。そしてその結果、作品は他者の存在を無視したご都合主義的な表現となりうる。そのような状況を乗り越え自らを開いた世界に導くことは、そう容易いことではない。しかし、鈴木は卒業制作を通して真っ向からこの難問と向き合ったのである。失敗と判断したものを受け入れる行為とは、今まで自分自身が培ってきた表現に対する価値やこだわりを疑い解体することだ。それは価値基準を見失うことかもしれないが、そもそも価値基準とは固定することなく変化するものであったはずではないか。そして鈴木は、その変化に幾度となく反応しつづけ、それは自分の都合に合った理屈が機能しないほどの負荷であったに違いない。そうしたぎりぎり感が他者を呼び込み、鈴木の流動的な絵画空間を生み出したのだ。
准教授・栗原 一成