The Living Motorcycle

山本 嘉一朗

作者によるコメント

モーターサイクルの価値は乗り、操ることの爽快感にあります。自動運転の熟成した時代が来たとしても、それだけは変わることは無いのです。特に手動運転と自動運転で走行エリアの分けられたTRI FIELDにおいては、モーターサイクルは自ら操る楽しさによりフォーカスされた存在でなければなりません。どうすれば未来のライダーたちへより刺激的で斬新な運転体験を届けることが出来るのか、私は卒業制作において自動運転社会における手動運転の価値を模索しました。

担当教員によるコメント

この学年の卒業制作では、トランスポーテーションデザインを志望する学生が6名で、未来の都市交通のあり方を「TRI FIELD」というコロニーを想定して提案した。未来の街は直径10kmの円形で、縦方向に空間を使った多層構造になっている。それぞれの層に自動運転のEVや、モノレールなどの公共交通機関が行き交う構成で、利便性と合理性、環境への配慮を重視したコンセプトだ。彼らはその中を走る、目的や機能の違う乗り物をそれぞれに提案した。このモーターサイクルはその中の一つである。作者は自動運転化された未来であっても、乗り物を操る楽しさを無くしてはならないと考え、安全性とダイナミズムを両立させるために、インホイールモーターの3輪に設定、近未来の「人馬一体」を目指した。

教授・田中 秀樹