プラスチックの魅力を探る

近藤 美祝

作者によるコメント

みなさんプラスチックに対しどんなイメージを持つでしょうか?日常生活において非常に身近な素材であるものの安価ゆえのチープな印象であったり、個人での加工が難しく漠然としたよくわからない素材といったイメージがあるように感じました。大量生産そして大量消費を経てプラスチックの素材そのものの魅力が感じにくくなってしまっている今、プラスチックへの理解を深めその魅力を見つめ直すことで、よりプラスチックが生きる未来を探るプロジェクトです。

担当教員によるコメント

プラスチックは、紙や木と比べるとリサイクルされる素材としての実感が弱い。生活材としてプラスチックが普及する際に、その安価さから大量生産/大量消費の流れも同時に築き上げたためだろう。近藤美祝さんは、その廃プラスチックに着目し、リサイクル利用の可能性を探求してきた。廃プラスチックを一度熱で溶かし、細い繊維として取り出す。その技法自体に新規性まではないものの、そのアイデアを形にするための装置から自作して、廃プラスチックを繊維化した後の可能性を探している。プラスチックの色には数多くのバリエーションがあり、そこから紡ぎ出す糸を集めて、きれいな色の見本にまとめている。この近藤さんのアプローチは、廃プラスチックの印象を大いに変える価値ある研究となっている。

准教授・濱田 芳治