maze 2

植田 夏美

担当教員によるコメント

maze2と題された彫刻はある場所を設定して造られている。陶土を素材とし、十三個の素焼のピースで構成されている。それは大都会の一角の様でもあり、大自然の風景の一部を見ている様にも感じられる。作者は自身と社会との関係、その中でも人間関係の希薄化した現代にテーマを求めた。上部から見るとその配置、構成はまるで迷路と化した現代社会を感じさせる。個々のフォルムを「カチッ」とした強さではなく、少し曖昧なイメージとする為、布を被せた状態で造形し、淡く白く着色する事により、全体感のフォルムをより強く感じさせているところがこの彫刻を一層引き立たせている。

教授・安倍 千隆