小俣 友奈

担当教員によるコメント

作者は鳥をテーマに木彫で制作を続けてきた。これまでミミズク、ペリカン、スズメなどのタイプの違う鳥を制作してきたが、この作品は卒業制作として意欲的に取り組むことにより、ダチョウの強い生命力までもが伝わってくる力作となっている。技法的には、大きな樟の一材を切り分けて、首から頭部と二枚の羽を別々に彫り出してから、寄木技法により構成し、制作している。又、大きさも実際のダチョウのサイズと同じくらいであり、十分な迫力を感じさせる。全体的に見ていくと、羽や胸部の荒くゴツゴツとした彫り痕の表情と、細部まで彫り込んである頭部と足の先の表現との対比により、作品全体のイメージにしっかりとしたリアリティーを与えている。

教授・川越 悟