地元の図書館の建て替え計画“好きな世界を通じて人が交じる図書館の計画”

渡辺 芽衣

作者によるコメント

ベッドタウン特有の世代間や近所付き合いの断絶をなくすために子供と大人の本を各分類ごとに同じ空間に置くことで好きな本、ジャンルを通じて地域住民が出会う場、交じる場の読者空間を提案した。

担当教員によるコメント

幼いころから慣れ親しんだ町の図書館を「みんなが集まる場所」にする計画です。地元民ならではの観察から、どんな人々が何を必要としているかを現図書館や周辺を歩き、考えることから始まりました。主題となる書籍の分類では、従来型の大人と子供と分けることをせずに、むしろ同じ分類を共有することで、世代をこえて交流が生まれるような場所をめざすことから計画は動き出しました。大きな屋根の下に大小さまざまな小屋が集合した、いわば小さな街を建築化しています。その街の中心にある大階段の広場は、「みんなが集まる場所」の象徴となっています。世界中の人が集まる広場に共通するのは目的地ではないことで、この大階段は人の交差点であり、無目的でも良い場所を予感させます。

教授・米谷 ひろし