のぞむ

加納 睦

作者によるコメント

九州新幹線の終着駅である鹿児島中央駅、駅前開発により隠れてしまった桜島。本計画では、駅から桜島を望むことが出来るように、駅空間の再開発を提案する。

担当教員によるコメント

鹿児島で生まれ育った作者は、九州新幹線の開通と駅ビルの新築によって鹿児島中央駅から桜島が見えなくなってしまったことへ疑問を持ち、それが環境デザインを学ぼうと思ったきっかけになっている。つまりこの卒制は作者にとって本来の意味での集大成といえる。鹿児島の人にとって桜島が見える景観の意味は大きい。旅行者が鹿児島に着いたとき、また鹿児島の人が帰ってきたとき、新幹線のホームから正面に桜島が見えることを大きなテーマとしている。在来線や路面電車への乗り換え動線を考慮しつつ、鹿児島を強く意識した大胆で存在感がある駅としてデザインしている。敷地周辺だけでなく何キロも先にある景観までを含めたデザインこそが環境デザインであることを示す好例である。

教授・岸本 章