内的体験
石井 茄帆
作者によるコメント
書籍「内的体験」は人間存在の可能性を組み尽くそうとしたものだと、著者のジョルジュバタイユは言いました。私はこの書籍を、人知を超えんとする試みに伴う苦痛の果てに法悦があるという風に読み解き、著者が法悦の言語化を試みたのに倣い、法悦のグラフィック化を試みました。人間の営みや、生死、苦痛と快楽など、人間の条件の根幹をなすものへの理解を深めようとしました。
担当教員によるコメント
人と違う、ということは良いことです。デザインにも、多様性があっていいのです。むしろ、自分にとって信じられるものを見つけることです。大げさに言えば、哲学のようなもの。作家的かデザイナー的か、分けることは必要ありません。モノづくりは自分を信じることから始まります。協調性は、次元の違う問題です。石井さんは、3年生初期から一貫して芯のある人で、人とコミュニケーションができる人でした。この作品で言葉を引用しているジョルジュ・バタイユは、哲学を語った巨星です。石井さんは、その言葉の奥にある哲学と格闘しました。その結果、視覚化しようとした試みが、人とは違う表現を得て、流行に振り回されない原理を直視するデザインとなりました。この先が楽しみです。
教授・山形 季央
- 作品名内的体験
- 作家名石井 茄帆
- 作品情報ポスター
技法・素材:紙、アクリルガッシュ、墨、Illustrator、Photoshop、CLIP STUDIO PAINT
サイズ:H1189×W841mm(3点)、H890×W728mm(2点) - 学科・専攻・コース
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