最初の好奇心と動物園

荒山 智奈美

作者によるコメント

動物園のイラストレーションポスターを制作しました。人の中で言葉や概念になる前の動物に対する原始的な感情は、まだ混沌としていて善悪のない好奇心のようです。その未分化なイメージをイラストレーションで表現しました。動物園はその好奇心を動物と人間にとってより良い形へ導き、逆に人々の考えや倫理が変化すると共に動物園とその役割は変わっていくものでもあると考えたからです。

担当教員によるコメント

荒山智奈美は「最初の好奇心と動物園」というタイトルでイラストレーションポスターと作品集を制作した。彼女は動物園ということに対する考え方を独自な感覚で捉えた。それは現在の動物園とは異なり、非常に原初的な生態系を元に「動物を見る人間、人間を見る動物、それを取り巻く自然環境」に対して現在の動物園に根本的な本人との感覚的違いを見出していた。それがイラストレーションポスターに表現されている。それを「最初の好奇心と動物園」という視点で捉えているため、作品は自然の中で生きる動物の生々しい力と生命力を見出した。動物園の告知ポスターに対する批判的視点を持ち、クレパスを用い生命力溢れる動物を表現した。力強いタッチであるが表現はいたって美しい。

教授・秋山 孝

  • 作品名
    最初の好奇心と動物園
  • 作家名
    荒山 智奈美
  • 作品情報
    イラストレーション
    技法・素材:紙、クレパス、Illustrator、Photoshop
    サイズ:ポスター=H1030×W728mm(16点)/本=H594×W420mm、H210×W148、H127×W89(3点)
  • 学科・専攻・コース