等水景, 透景

小林 みのり

担当教員によるコメント

小林みのりは、この世の中にある自然物、造形物すべての物質の元は原子であり、生物も鉱物も原子の組み合わせよってできていて、すべてが同等なのではないかと考えている。「等水景」と題された三幅対の作品にも、その考え方は一貫していて、等価値なものとして表現されている。左の淡い青の作品は人間が水面を俯瞰している視点、中央のピンクの作品は魚が水中から見上げる視点、右の緑の作品は獣が草むらから覗く視点で描かれている。まるで山水画の遠近法である深遠、高遠、平遠の三遠法を現代に蘇らせているようだ。支持体の布に染み込むステイン技法と絵具の盛り上がったタッチのコントラストは、画面に違和感とインパクトを与えながら、淡く柔らかい色調で幽玄な浮遊感を醸し出している。

教授・木嶋 正吾

  • 作品名
    等水景, 透景
  • 作家名
    小林 みのり
  • 作品情報
    『 等水景』
    素材・技法:ポリエステル布、水彩
    サイズ:H182×W140cm(3点)

    『 透景』
    素材・技法:ポリエステル布、水彩
    サイズ:H162×W112cm
  • 学科・専攻・コース