卒業制作優秀作品集2018
生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻

田遠 裕太

Hamster House

技法・素材:パイン材、アクリル、3Dプリント(ABS、PLA)
サイズ:H960×W980×D480mm

ハムスターは臆病で繊細な生き物です。環境の変化や飼い主のスキンシップでストレスが溜まり、体調を崩すことも少なくありません。市場に流通するケージはハムスターにとって快適な環境とは言えず、犬や猫といった人気のあるペットと比べると値段の安さ、寿命の短さといった要因から扱いに差があると言わざるを得ません。地中に巣穴を掘り、厳しい気候や天敵から隠れて暮らす野生のハムスターの習性に着目し、人間が一方的に干渉できない空間のあるお家を制作しました。ハムスターを人間の居住空間に一方的に押し込むのではなく、それぞれのライフスタイルを持つ人間とペットが共存できる飼い方の提案です。

担当教員によるコメント

ハムスター目線で考える。田遠裕太くんの『THE HAMSTER HOUSE』では、野生のハムスターがつくる巣穴を発想の手掛かりに、ハムスターの習性の知識や実際の飼育を通しての体感的な経験知を加えて考えられている。ストレスに弱いハムスターのプライバシー=生活空間を確保するため、人間が容易に干渉できないエリアを設置。ハムスターが完全に隠れてしまう巣穴構造は、観賞においてはネガティブにも働くだろうが、しかしそうした制約を設けることで、ハムスター自身が元気になり、本来の自然な表情や仕草を示すという新たな魅力も引き出している。モックの製作に際しては、ハムスターに実際に使わせて反応を確かめながら、3Dプリンターを駆使した試行錯誤の上でつくられている。

准教授・濱田 芳治

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