tail

真鍋 紗由理

担当教員によるコメント

作者は専門課程に於ける2年間、猫をテーマに制作してきた。今回の「tail」と題された作品は猫が好きからスタートしたが、展開の過程で素材、構成、空間 それぞれの彫刻意識が明確に表出してきている。座位した猫の視線の先に微妙な空間を持って尻尾の先が配置されている。静かな猫のフォルムに対し、透明樹脂で出来た円弧を描く動勢感ある尻尾。この対比が面白い。ただ猫を造るのではなく、人間味のある猫を意識したという作者は無意識の内に「彫刻」を意識したのではないか。

教授・安倍 千隆