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担当教員によるコメント

消費の時代が終焉したと言われて久しい現在であるが、まだまだ生活の中には新しいモノが溢れ、時間の経過によって生み出される美を感じる機会は少ない。松橋さんは在学中に交換留学生として選ばれ英国で勉強した頃から、それまで以上にモノに対する細やかな眼差しと独自の審美的感覚を研ぎ澄ませてきた様に見えた。1着の服の中で編地と織地が融合し境目が分からない工夫が施された不思議なこの服には、彼らしい機知と思考が詰まっている。色もフォルムもシンプルにとどめた為か、そこに使われている様々な技術を見せびらかす素振りもなく、ひっそりとそこに在る。人が身につけた時の動きと、それをどう写真に収めるかまでをも充分に計画し美しいプレゼンテーションとなった事も高く評価できる。

准教授・吉川 真由