リンク・スライド機構を使った家具の提案
櫻井 竜也
作者によるコメント
リンク機構を動かすことで支点間の距離が変化することに着目し、スライド機構を掛け合わせることで生まれる動きを応用した家具の制作を行った。一番上の段を持ち上げるという一つの動作で、各段の収納部を全て展開することができるのがこの家具最大の特徴であり、スライドするレールの形を直線から折れた形にすることで展開した状態から元の状態に戻らないようにロックするような工夫を施した。自分のコレクションをしまい、飾ることのできる家具とした。リビングのソファーサイドでの収納としての2種類の使い方を想定している。
担当教員によるコメント
一つの動作によって軽快に可変する家具。
櫻井竜也くんの提案には非常に多くの苦労が隠されている。
機構や可動箇所を設計する際にはクリアランスや変形後の形状維持など実際に検証を繰り返さないと見えてこない多くの問題を解決しないといけない。機構に傾倒してしまうと使い勝手に影響してしまい、小型化を試むと材質強度との問題が出てくるが、本人が最後まで木箱というシンプルな外観にこだわった事で家具と道具の中間のような新しさが現れている。変形後の高さは写真やイラストだけでは変化の大きさは感じとりにくいが、実際には、スムーズな可動と共に高さ方向に加え前後にも展開する様をみると素直に驚ける作品になっている。構造とデザインを行き来しながらの検証は櫻井くんにとっても大きな学びにつながったはずだ。是非これからもこの過程を自信にしてもらいたい。
講師・尾形 達
- 作品名リンク・スライド機構を使った家具の提案
- 作家名櫻井 竜也
- 作品情報技法・素材:シナ合板、積層、アルミニウム
作品形態:家具
サイズ:展開前 H500×W400×D305mm/展開後 H860×W600×D305mm - 学科・専攻・コース
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