学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)

美術学部 | 学士(芸術)

絵画学科日本画専攻

日本の豊かな風土と文化に培われ、独自の美意識を育んできた日本画。岩絵具、紙、筆、墨など自然の素材から生み出される日本画の大きな魅力は、素材や技法を自在に使いこなすことによって生まれる表現の豊かさにある。同時に、伝統の継承にとどまらず、新たな表現の地平を切り拓く奥深さも備えている。その意味で、日本画の世界は古くて新しい未知の可能性を秘めた領域である。日本画専攻は、伝統的な素材の理解と基礎的な技法の修得を基本に、個性的で自由闊達な創造性を伸ばすことによって、次世代を担う作家、教育者、研究者など、日本の美術の土壌を豊かに広げる人材の育成を目指している。

絵画学科日本画専攻のカリキュラムはこれらの能力を育成するために編成されており、4年以上在学し、当該学科の定める必修科目、選択科目の単位に加え、卒業制作に合格し、合計124単位以上を修得した者に卒業を認定し、学士(芸術)の学位を授与する。


絵画学科油画専攻

芸術表現の多様化が進む今日、油画の世界でも、油絵具でキャンバスに描くという既存のメディアにとどまらず、インスタレーション、立体、映像、パフォーマンスなどはもちろん、それらのジャンルを横断する斬新な表現様式が豊かに花開いている。今、私たちの前には、油画を通して未知の領域へと誘う表現の可能性が無限に広がっている。油画専攻は、油画の基礎的な造形力や思考力を鍛える原点は堅持しつつ、グループ選択制ときめ細かい個別指導を通して、次世代を担う作家、教育者、研究者をはじめ、時代を超えた新たな創造活動に挑戦する人材の育成を目指している。

絵画学科油画専攻のカリキュラムはこれらの能力を育成するために編成されており、4年以上在学し、当該学科の定める必修科目、選択科目の単位に加え、卒業制作に合格し、合計124単位以上を修得した者に卒業を認定し、学士(芸術)の学位を授与する。


絵画学科版画専攻

版画は、木、銅、アルミなどの「版」を介在させて、多彩な表現を行う芸術である。浮世絵は西欧の美術に多大な影響を与えたが、今日でも日本の版画の技術力や表現力は高く評価され、技法の開発もめざましいものがある。また、今や、版画の概念は大きく拡張し、メディア・アートなどのほかの分野とも相互に影響し合いながら、多様で斬新な表現様式の世界を広げている。このような時代状況に対応するために、版画専攻は、充実した環境の中で、理論と実践の両面から自在に版を操る能力を修得し、新しい技法や大胆な表現方式を生み出す創造的な人材の育成を目指している。

絵画学科版画専攻のカリキュラムはこれらの能力を育成するために編成されており、4年以上在学し、当該学科の定める必修科目、選択科目の単位に加え、卒業制作に合格し、合計124単位以上を修得した者に卒業を認定し、学士(芸術)の学位を授与する。


彫刻学科

彫刻という言葉には「彫」という空間的概念と、「刻」という時間的概念が込められている。人類の歴史とともに歩んできた彫刻芸術は、現代においても世界中のアーティストたちによって受け継がれ、日々その可能性が追求されている。つまり、彫刻とは過去の記憶から現在、そして未来へと絶え間なく続く時空のモニュメントなのである。そして、私たちはつねに、「彫刻とは何か」という根本的な問いに立ち返りながら、あらゆる芸術や技術の歴史をふまえ、慣習や流行にとらわれることなく芸術の意味を探り続けなければならない。彫刻学科は、充実した制作環境の中で、理論と実践の両面から時代を超えた、新たな表現の可能性に挑戦する人材の育成を目指している。

彫刻学科のカリキュラムはこれらの能力を育成するために編成されており、4年以上在学し、当該学科の定める必修科目、選択科目の単位に加え、卒業制作に合格し、合計124単位以上を修得した者に卒業を認定し、学士(芸術)の学位を授与する。


工芸学科

工芸学科が扱う「陶、ガラス、金属」は、いずれも文明の黎明期に発見され、独自の性質と美しさをもつ素材として、今日に至るまで人々を魅了し続けている。そして人類は、手と道具を使いこなして多くの技法を開発し、これらの素材から無数のモノをつくり出してきた。素材を加工し表現する技法の修得から生まれる「モノをつくる力」と「モノで表現する力」。それはいつの時代でも変わらない普遍的な力であると同時に、多様なジャンルに発展させていける造形力の源ともなる。工芸学科は、時代ごとに様相を変える工芸のあり方を理論と技法から探求する教育を通して、自由な発想で工芸の世界を広げる創造性豊かな人材の育成を目指している。

工芸学科のカリキュラムはこれらの能力を育成するために編成されており、4年以上在学し、当該学科の定める必修科目、選択科目の単位に加え、卒業制作に合格し、合計124単位以上を修得した者に卒業を認定し、学士(芸術)の学位を授与する。


グラフィックデザイン学科

建学以来、多摩美術大学はビジュアルコミュニケーションデザインの分野において、日本を代表する数多くのデザイナーを輩出してきた。更に情報が錯綜する現代は、ビジュアルコミュニケーションの分野も拡大し、社会が求める問題解決の能力と、視覚表現できる能力を兼ね備えたデザイナーは、多くの分野で求められている。グラフィックデザイン学科は、体系的なカリキュラムを通して、豊かな造形力が支える「伝える力」と、明晰な計画力・発想力が支える「伝わる力」を身につけた、実践力のあるデザイナーの育成を目指している。

グラフィックデザイン学科のカリキュラムはこれらの能力を育成するために編成されており、4年以上在学し、当該学科の定める必修科目、選択科目の単位に加え、卒業制作に合格し、合計124単位以上を修得した者に卒業を認定し、学士(芸術)の学位を授与する。


生産デザイン学科
プロダクトデザイン専攻

プロダクトデザインとは、自動車、バイク、家電製品、オーディオ、携帯電話、家具、靴、バッグ、ベビー用品、楽器、ゲーム、スポーツ用品、化粧品、パッケージなど、人々の生活を支えているあらゆるモノに関わるデザインを指す。これらのプロダクトをデザインするに際して、機能や形に加えて、生産/製造のための専門的な知識など、多くの観点を学ぶ必要がある。4年間を通して、多様な課題に取り組みながら、学生個々のめざす進路に応じた表現力や思考力、人間力を鍛えていく。世界に通用する自立したデザイナーの育成を目指している。

生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻のカリキュラムはこれらの能力を育成するために編成されており、4年以上在学し、当該学科の定める必修科目、選択科目の単位に加え、卒業制作に合格し、合計124単位以上を修得した者に卒業を認定し、学士(芸術)の学位を授与する。


生産デザイン学科
テキスタイルデザイン専攻

テキスタイルは、太古から人の手によりつくられ人間の心身と生活を包み育んできた人々をつなぐ共通の営みである。世界中のあらゆる民族が、風土に根ざした繊維素材と技術によりそれぞれのテキスタイル文化を創出している。今日、身近な衣生活や住空間にとどまらず、車両内装・産業資材、医療素材から宇宙開発の素材として様々な場所で用いられ、その可能性は広がり続けている。特に日本は、「伝統的な手わざによる染織文化」と「先端的なテキスタイルテクノロジー」が共存する世界でも希有な国の一つである。その日本から世界へ、テキスタイルデザイン専攻は、テキスタイルに関わるデザイン活動・芸術表現を行う優れたデザイナーとアーティストの育成を目指している。

生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻のカリキュラムはこれらの能力を育成するために編成されており、4年以上在学し、当該学科の定める必修科目、選択科目の単位に加え、卒業制作に合格し、合計124単位以上を修得した者に卒業を認定し、学士(芸術)の学位を授与する。


環境デザイン学科

インテリア、住宅、店舗、公園、都市——人間を包括する「空間」が環境デザイン学科で学ぶ領域である。そして、これらのデザインされた「空間」が、デザイナーの手を離れて人びとの手に渡り、生活の一部としての「環境」になっていくまでを、デザイナーはしっかりと見届けていく。環境デザイン学科では、インテリアデザイン、建築デザイン、ランドスケープデザインの3つのコースを設け、徹底的な現場・現物・実寸主義とCAD・CGを駆使したシミュレーションとの両面から、「手」で考えデザインする姿勢を身につけ、五感を研ぎ澄まして豊かな「空間」の創造に貢献できる人材の育成を目指している。

環境デザイン学科のカリキュラムはこれらの能力を育成するために編成されており、4年以上在学し、当該学科の定める必修科目、選択科目の単位に加え、卒業制作に合格し、合計124単位以上を修得した者に卒業を認定し、学士(芸術)の学位を授与する。


情報デザイン学科

情報デザイン学科は、情報・メディアの分野において先駆的な学科である。かたちのない「情報」から、人間や社会の豊かな関係や文化・芸術を創造すること。それが情報デザインである。飛躍的に発達する情報技術の成果が社会のすみずみにまで浸透した今日、既成概念を超えた新たな「アート」や「デザイン」の世界が多彩に花開きつつある。情報デザイン学科では、多摩美術大学が長年培ってきた美術教育をベースに、ファインアートとデザインの双方を学び、大胆な発想で新世代の文化と芸術を先導するクリエイターの育成を目指している。

情報デザイン学科のカリキュラムはこれらの能力を育成するために編成されており、4年以上在学し、当該学科の定める必修科目、選択科目の単位に加え、卒業制作に合格し、合計124単位以上を修得した者に卒業を認定し、学士(芸術)の学位を授与する。


芸術学科

芸術学科は、アート・プロデューサー、学芸員(キュレーター)、研究者など、美術・芸術を世界に発信する人材を育成する学科である。「芸術と社会をつなぐ」を基本理念として、35年以上にわたり芸術の魅力を社会に伝える人材を送り出してきた。美術大学の環境を活かした芸術学科として、絵画・彫刻など各学科と連携した実技科目や学科内の美術制作スタジオや編集室などがあり、表現と理論、講義と実技の両面から美術・芸術について学ぶ。

芸術学科のカリキュラムはこれらの能力を育成するために編成されており、4年以上在学し、当該学科の定める必修科目、選択科目の単位に加え、卒業論文・卒業研究に合格し、合計124単位以上を修得した者に卒業を認定し、学士(芸術)の学位を授与する。


統合デザイン学科

統合デザイン学科は、コミュニケーションやプロダクトに限らず、そのほかの諸領域を含め横断的に学ぶための新たなデザイン教育の場である。社会や産業を構成するさまざまな問題や複雑な要素を生活の営みから感覚的に嗅ぎ分け、それを論理、分析し、視覚化して伝える力と、ものとして具体化し実在させる能力に長けたデザイナーを育てる。身体の延長としてのものや空間、その集合体としての環境、そして、それぞれをつなぎ合わせる媒介としてのシステムとコミュニケーション、映像や身体のインタラクション、それらが途切れることなく一貫性をもって統合されたデザインは、それ自体が美学として、生活や社会や産業をより良い方向に導く原動力となる。統合デザイン学科では、そのようなデザイナーを育てるために、各個人の興味領域を中心としつつも、それと関連するさまざまな領域が統合されたデザイン全体を「プロジェクト」として学ぶ。

統合デザイン学科のカリキュラムはこれらの能力を育成するために編成されており、4年以上在学し、当該学科の定める必修科目、選択科目の単位に加え、卒業制作に合格し、合計124単位以上を修得した者に卒業を認定し、学士(芸術)の学位を授与する。


演劇舞踊デザイン学科

演劇舞踊デザイン学科は、舞台上演を支える感性豊かな身体の表現者、また創意豊かな劇場空間を演出するデザイナーを育成することを目的とした学科である。舞台における役割とその専門性から「演劇舞踊コース」と「劇場美術デザインコース」の二つのコースを設け、各コースが専門性を高め、交差し合いながら舞台上演を学ぶ。美意識ある俳優、舞踊家、演出家、劇作家、舞台美術家等を将来像とし、舞台上演を総合芸術として捉え、誰も見たことのないオリジナリティ溢れる舞台づくりを追究する。イメージ豊かな表現力や造形力を修得する徹底した実践性に重きをおき、表現者たることの畏れと、これからの文化の担い手たることの責任を自覚することを促す。一線のプロとして活躍する教員が、現場性をもって、身体表現のメソッドや上演実習、スタッフワークの技術指導等を行い、これからの舞台芸術を担うプロフェッショナルな表現者の育成を目指している。

演劇舞踊デザイン学科のカリキュラムはこれらの能力を育成するために編成されており、4年以上在学し、当該学科の定める必修科目、選択科目の単位に加え、卒業制作に合格し、合計124単位以上を修得した者に卒業を認定し、学士(芸術)の学位を授与する。