伝統を踏まえつつ、
自由な表現を切り拓く気風
自由な創造性を発揮し、日本美術の可能性を拡げ続けている日本画専攻。「日本画」が世界的な注目を集める近年は留学生も多く、グローバルな環境で学んでいます。筆作りや絵具作り、表具実習や絹本実習といった伝統技法はもちろん、油画専攻や版画専攻と合同で行う技法講座ではテンペラ、銅版画、映像、パフォーマンスなど幅広いカリキュラムを用意。伝統を踏まえつつ多様な表現に触れることで育まれる自由な気風が、日本美術に大胆な創造性をもたらす作家はもちろん、出版、ゲーム、アニメーションなど多彩なクリエイターを育んでいます。
- キャンバス:
- 八王子
- 定員:
- 35名
- 在学生数:
- 160名
学びの特色
きめ細かな指導で
一人ひとりの成長を支える
学年担任制を導入し、教育内容や進路相談に応じるなどきめ細かな対応をしています。制作は個別指導が基本ですが、全学生の作品すべてを撮影してアーカイブ化するなど、学生の個性と成長プロセスに寄り添った指導をしています。
専門家を招き、理論と技法の双方を深く学ぶ
専門家の指導のもと、絵具、紙など日本画特有の素材を理論と実践の両面から体系的に学べます。また、他学科も利用できる紙漉き工房を設置し、3年次に和紙実習を行うほか、絵を描くための紙を自らつくることもできます。
創作意欲を喚起する、
自由課題作品のコンクール
4年間通じて履修する「日本画実技」では、自由課題作品のコンクールを実施し、教員全員による講評会を年2回開催。評価が高い作品は学内展覧会に出展します。作品を発表し講評を受ける機会が創作活動への意欲を喚起します。
学びの領域
日本画
取得できる資格
- 中学校教諭一種免許状(美術)
- 高等学校教諭一種免許状(美術)
- 学芸員資格
卒業後の進路
- 画家、 絵本作家、 アニメーション作家、装潢師、教員、 学芸員
- ゲーム、出版、アニメーション制作などの分野への就職
教育課程
1・2年次の基礎課程では日本画の絵画、素材、用具の基礎知識を学び、デッサン、模写などの課題を通して、表現、創造を自由に駆使するための基礎技法を習得します。また、伝統の技法を現代の新たな技法へと展開する表現力も鍛えます。3・4年次の専門課程では、主体的にテーマを選び、教員との徹底的な対話の中から独自の表現方法を探求し、創造力を高めます。
1年次
日本画および素材・用具の基礎を 学び、技術の育成を行う。
岩絵具、顔料、膠、胡粉など日本画ならではの伝統素材を中心に、知識、技法、用具の使い方などを修得します。また、人物、植物、風景などをテーマとしたデッサンを通して、観察力、描写力、表現力、構成力を鍛えます。学科を横断して夏季に行われる「技法講座」では、テンペラ、銅版画、下地研究、映像、樹脂、陶芸、和紙、パフォーマンスから1つを選択し、日本画にとどまらない表現を学ぶことも可能です。
2年次
課題を通じて自由な創造性を育み、 独自の表現力を身につける。
表具、絵具、模写などの実習を通して、日本画の素材や用具を使いこなす専門的な力を伸ばすとともに、自由で個性的な独自の世界を創造するための表現力も磨いていきます。
3年次
優れた表現力を身につけると同時に、 幅広い知識を得る。
課題を自らが設定し制作することで、日本画についての専門性をさらに深め、独自の創作スタイルにも挑戦します。また、学生が中心となって研修旅行などを企画・実施し、日本画材料や伝統文化への理解を深めます。
4年次
主体性・自主性を持って制作し、 創造的精神をより強固なものに。
4年間の集大成として、独自の個性豊かな作風を追究した卒業制作に取り組みます。
※ 学ぶ目的によって「教養科目」「美術理論科目」「言語科目」「リテラシー科目」の4つに区分しています。これら4つの区分から、自分に合った科目を組み合わせて履修できます。
作品
さまざまな伝統的な素材の理解と基本的な技法の習得を基本に、個性的で自由闊達な創造性がある平面絵画、インスタレーションなど多様な作品が制作されています。
施設・設備
全室冷暖房・床暖房を完備し、課題提出時期などは休日、夜間(21時まで)でも利用可能な充実のアトリエ環境です。紙漉き工房で和紙を制作する授業も開講しています。
アトリエ(絵画北棟)
研究室や実習室なども揃う2階に4年間を過ごすアトリエがあります。可動式のパーテーションで制作スペースを自由に区切ることができるほか、休日や夜間も開放しており、課題提出時は夜9時まで制作することが可能です。冷暖房・床暖房を完備しているため、夏や冬でも膠の状態が保ちやすく作られています。床置きで描くことを想定し、埃が入りにくいよう1段高くフローリングが作られるなど、日本画の特性に合わせて整備されていることも特徴です。また1〜4年生〜大学院生まで1フロアにアトリエを構えているため、上級生の制作風景を間近に見ることができ、交流しやすい環境です。ギャラリー(絵画北棟)
1階玄関から2階に上がるエントランス空間にあり、主に絵画学科の作品展示や、講評会などに使われています。エレベーターでアトリエから直接搬入できる利便性もあり、コンクールの優秀作品が展示される場としても使われています。紙漉き工房
昔ながらの伝統技法を学べるほか、作品に使用する和紙を自ら制作することも可能です。全学共有の施設ですが、日本画専攻では授業でも用いています。(紙漉きの動画はこちらから)就職・進路
日本画家や現代美術作家、絵本作家などの作家活動、教職員、大学院や海外留学などへ進む卒業生が中心。生涯にわたって創作活動を続けたいと考える学生が多い一方、日本画専攻で培った感性と技術を生かし、出版社、ゲーム会社、アニメーション制作会社などの企業で活躍する人材も増えています。
2023年の進路状況
- 就職者21名
- 就職希望者23名
- 進学者9名
- 作家・起業など3名
- その他7名
過去2年の主な就職先
ゲーム・アニメ・CG
青写真/アクアスター/SNK/コナミアミューズメント/3Hz/スタジオ・ユニ/ハル研究所
WEB・通信・情報処理
トランスコスモス
広告代理店・制作会社
ポニーキャニオンプランニング
玩具・文具・生活雑貨
サンエックス/サン・アロー
靴・バッグ・装飾品
ケイ・ウノ/ルイ・ヴィトンサービス
繊維・テキスタイル
やまと
建築設計・店舗・空間
丹青社
官公庁・学校・福祉施設
滋賀県教育委員会/社会福祉法人友愛学園
その他
日本テーマパーク開発
活躍する先輩
教員紹介
2024年4月時点