企業の人事担当者・卒業生に聞く/宣伝・広報

デザイン、企画、ディレクションの力で課題解決できるのが大きな強み

株式会社東急エージェンシー

卒業生の佐藤茉央里さんが2018年に企画からデザインまで担当した渋谷ヒカリエのブランド広告

東急グループの広告会社として設立。マス媒体・交通・店頭広告、プロモーションなどを融合させた情報発信を提案。商業施設・空間開発も手掛ける。コーポレートスローガンに“Symphonized Value Creation. (響きあうチカラで、新たな価値を。)”を掲げ 、2024年度から「中期経営計画2026〜Re-build〜」がスタート 。
https://www.tokyu-agc.co.jp/

2024年6月更新


ビジュアル面を中心とした独自の視点でクライアントの課題を発見できる、本質を見抜く力がある

佐野あかねさん
佐野あかねさん

株式会社東急エージェンシー
コーポレート本部
人事局 人事企画部

東急エージェンシーは総合広告会社として、クライアントの課題解決につながるコミュニケーションの企画提案と実施を行っています。当社では「リアルとデジタルが融合した生活空間(=Phygital)」でのコミュニケーション最適化を目指しており、現代社会で、渋谷を中心とした商業施設や屋外広告に強みを持つ当社ならではのリアルな場を活用し、従来の広告の枠にとらわれない新たな体験価値の創造に取り組んでいます。

多摩美出身者は、デザイナー、アートディレクターとして10数名在籍しています。クリエイティブチームの一員として、デザインに限らず、企画やコンセプトの立案から商品開発まで多岐にわたって活躍しています。平面デザインだけでなく、たとえば、シャンプーボトルなどのプロダクトをデザインすることもあります。当社はクライアントの課題解決のプロとして、ベストソリューションパートナーとなり、クライアントに寄り添うことを目指しているので、商品開発から協働させていただく機会も多くなっています。

多摩美出身者はデザインが大好きで、楽しくお仕事をしている方が多いと感じます。自分の世界観やアート性を持ち、質を追求して、妥協せずに粘り強く取り組む姿勢があります。また、コミュニケーションを大切にし、チームメンバーの意見をしっかり聞いて生かす姿勢があるため、チームで提案活動を行う当社において、とても頼もしい存在です。

そのひとりである入社9年目の佐藤さんはアートディレクターとしてのスキルも高く、クライアントから「佐藤さんの好きなようにつくっていいよ」と言われるほど信頼され、キャンペーン全体のディレクションを任されています。「クライアントの課題に100%応えるだけじゃ全然ダメ!」と、クライアントの求める以上のものを妥協せずにつくりだしています。またそれを楽しみ、デザインを愛していることが伝わってきます。

美大出身者にはビジュアル面を中心とした独自の視点でクライアントの課題を発見し、本質を見抜く力があると感じています。その力で、アートディレクターならではの企画をプランニングしてほしいと思っています。もともと広告においてデザインは重要なものですが、デジタル領域が広がったことによって、その重要性はさらに高まっています。企画とデザインのどちらにも対応できるスペシャルな人材の活躍に大いに期待しています。


デザインはもちろん
企画もディレクションも行うからこその楽しさ

佐藤 茉央里さん
佐藤 茉央里さん

2013年|グラフィックデザイン卒

株式会社東急エージェンシー
マーケティングDX本部 統合ソリューション局
第1統合プランニング部
アートディレクター

※本記事は2018年に取材したものです

広告会社のデザイナーは、ポスター、パッケージ、キャラクターデザインやロゴなどデザインする領域が幅広く、扱う媒体も紙やWeb、テレビCM、交通広告など様々です。またその作業内容も、自分で手を動かして制作することもあれば、企画のみに参加することや、外部のデザイン会社に発注してそのディレクションを行うなど、案件や予算によって必要なことを行います。

学生時代、授業で出された課題を「これぐらいかな」と思って提出して、「自分に限界を設けるな」と叱られたことがあります。同級生たちのレベルは高く先生方も厳しかったので、それ以降は怒られないように(笑)、必死で頑張りました。自分に限界を設けずモノづくりを突き詰める姿勢と、タフな精神力が培われたと思います。

当時の仲間はそれぞれのデザインの道に進んでいて、時には制作の仕事を依頼するなど、今もつながっています。また、誰かが賞を取れば奮起しますし、良い刺激にもなっています。多摩美を目指したのは、シンプルに、有名で倍率が高い大学にはそれなりの理由があると思ったからです。社会に出た今こそ、これで良かったと確信しています。プロセスの思考とビジュアルのクオリティーの両方を厳しく掘り下げた学生時代の経験が、そのまま役立っているからです。多摩美の卒業生には営業職で入社した人もいますし、入社後にデザイナーからCMプランナーにシフトした人もいます。汎用性を感じる点も、多摩美の学びの強さだと思います。

渋谷ヒカリエのビジュアルを見た一般のお客さまから「このポスターが欲しい」といったお声をいただいたときは、この仕事を選んで本当に良かったと思いました。同じ職種の人は皆、好きなことを仕事にしているので生き生きと楽しそうです。もちろん私もそうです。広告会社を希望する方は、就活直前でポートフォリオを作り始めるのではなく、もっと早くから手を動かし、萎縮せずに先輩である私たち社員のところに積極的に見せに来て下さい。意欲ある人は皆、受け入れてくれます。意見を聞いてどんどん改善を重ねることで、さらに力が付くことでしょう。