企画やアイデアを具体化させ、 人に「伝える」「届ける」力で 会社を推進させてくれる存在
株式会社タカラトミー
主な事業内容は玩具、雑貨、カードゲーム、乳幼児関連商品等の企画、製造及び販売。「リカちゃん」や「トミカ」といった日本を代表する玩具メーカーとして、100周年を迎えた(1924年創業)。近年は、キダルトのマーケット拡大や海外への商品展開にも力を入れる。
https://www.takaratomy.co.jp/
2024年10月更新
企画への熱量とプレゼン力の高さが心強い
おもちゃをたくさんの人に届ける力になっている
守谷彩さん
株式会社タカラトミー
人財戦略室人財開発部人財開発課
創業100周年を迎えた今年は、事業の起点を「おもちゃ」から「アソビ」へ進化させ、モノだけにとらわれず、心躍るようなアソビに関する事業を提供していきたいと考えています。創業理念を受け継ぎながら、新たにパーパス(存在意義)として「アソビに懸ける品質は、世界を健やかに、賑やかにできる。」を掲げました。安心安全だけでなく、おもちゃやアソビが持つ倫理性や社会性、人と人をつなぐ等を包括して「品質」としています。その上で目指すのは「地域軸」と「年齢軸」の拡大です。
おもちゃが売れない時代と思われるかもしれませんが、その市場は1兆円規模へと拡大しています。子どもだけでなく、大人にも愛され、外国人の方にも楽しんでもらえるからです。訪日外国人の方はガチャを楽しむなどインバウンド需要も増えていて、「キダルト」といった子ども心を持つ大人がおもちゃの消費を支えています。そうした方も踏まえて、アソビをどう提供できるか。商品を作るだけでなく、「トミカ博」などの体験型イベントを海外にも展開しています。
採用活動を担う立場として感じたのは、多摩美術大生の企画への熱量、プレゼン力の高さです。おそらく授業の質や多様な課題によるものだと思いますが、プレゼン力は社会に出ると重要なスキルです。なぜなら、商品のアイデアがあっても社内プレゼンが通らなければ、世の中に商品を出すことができないからです。実際、多摩美術大学出身の社員はプレゼンをする際、商品の背景を含めたエビデンスを伝える力があり、説明も整理がされています。自分のアイデアを魅力的に伝える能力も含めて、アウトプットが秀でていることを実感します。
企画開発の担当になれば、商品が店頭に並ぶまで責任を持っていけるかも重要です。発売まで様々なフローがある中で、協力会社様や社内の他部署に依頼をかけたり、指示や協力を仰いだり、伴走する人たちへのコミュニケーションも求められます。そうした点でも、イメージを具体的に言語化することに長けているので、ビジネスへの落とし込みも含めて今後も期待しています。
「アウトプットをスピーディに!」教授の教えが
おもちゃ開発をする現在に役立っている
西山桐さん
2015年|大学院プロダクトデザイン学科卒業
株式会社タカラトミー
Hitsビジネス本部
ファッションエンターテイメント事業室
ファッションエンターテイメント事業部
企画開発課
現在はファッションエンターテイメント事業部で、指で触ってお世話をする新触感の液晶トイ・ぷにるんずの商品開発を担当していますが、入社以来、長く関わったキャラクターが「リカちゃん」です。私はもともと興味の幅が広く、リカちゃんの商品開発が人形だけでなく、車、お家や病院など彼女の世界を丸ごとデザインする点は、大きなやりがいでした。
しかも、誕生以来、多くの方に愛されてきたキャラクターで、子どもの母親や祖母世代も遊んだ歴史があります。時代を継ぐブランドを作りあげる醍醐味を感じつつ、今の子どもにどう楽しんでもらうかを考えながら作っていく、難しさもありました。
入社後、大学で学んだことを活かせる部署にすぐ配属されたわけでなく、2年半はリカちゃん事業部のマーケティング課で商品全般のプロモーションやSNSなどの広報業務に携わりました。この2年半は、実際に商品開発を担う時にとても役立ちました。商品をどう作れば手に取ってもらえるか、欲しいと思ってもらえるか、遊ぶ子どもの気持ちやリカちゃんの世界観をより深く理解できたからです。
思い返してみると、マーケティングは大学時代の課題制作のリサーチと通ずるところがありました。何かを作るためには世の中の流れやニーズを調べ、それを解決やよりよい方向に導くためにデザインして発表する。マーケティングの仕事を楽しく取り組めたのは、その過程を大学でも当たり前のように学んでいたからだと思います。
大学で安次富隆先生から言われた「アルミホイルや身の回りのもの、何でも良いから形を作っていこう」という言葉は、会社に入ってデザイン業務に取り組む上でもスピーディなアウトプットにつながり、今でも日頃から意識するようにしています。
大学3年生まで、「特定分野のやりたいプロダクト」がなく、車や家電メーカーなど入学時から志望先が決まっている同級生を見るとプレッシャーを感じる時もありました。多くのものに興味があるから、課題に出す作品も一貫性がなくて。でも、最初はそれでいいと思います。私はある課題で、幼児教育に関するプロダクトに興味を持ち、方向性が見つかりました。だから、焦らなくても、悩まなくてもいい。確固たる何かがなくても、多くのことに興味を持って作品制作をしていけば、道は開けるはずだから。
ファンだった『プリティーシリーズ』担当に!
自分らしさに気づけた大学時代が私の財産
内田愛子さん
2024年|グラフィックデザイン学科卒業
株式会社タカラトミー
Hitsビジネス本部
FEキャラクター事業部
企画開発課
新卒で入社し、研修を経て6月からFEキャラクター事業部で『ひみつのアイプリ』の玩具周辺商品の企画開発に携わっています。小学生の時から親しんできたシリーズの作品なので、とても愛着を感じています。
商品開発の流れや業務を勉強している中で、アイデアをデザイナーさんと共有したり、ファン目線で先輩から意見を求められたりするとやりがいを感じます。今後、自分が開発したアイテムが出せたらより一層その気持ちを実感できると思います。企画開発するだけでなく、出展イベントで子どもたちがアイテムを身につけ、カードで遊ぶ姿を見ると「こんなにもたくさんの子たちに届いているんだ」と実感でき、ファンの生の声に触れると、意欲がいっそうかき立てられました。
大学時代はグラフィックデザイン学科に在籍し、同級生はデザイナーやイラストレーターを目指す人が多かったのですが、私自身はそうしたビジョンをつかめない時期がありました。そんな中、「自分らしさを出すこと」について、授業で学んだ経験が自分の将来につながったと思います。「人と違うところはどこか」「自分らしさって何か」。授業や課題を通して、先生や友人から自分では思いもしなかった長所に気づかされ、背中を押してもらう、刺激に満ちた4年間でした。その結果、「アイデアや企画を考えることが好き」と、自分の道が見えてきたんです。
課題において、自分の得意なぬいぐるみなどの立体制作を作品に落とし込むことで「グラフィックデザイン」のイメージにとらわれなくて良いことを学びました。1~2年生の時はデッサンなどの基礎的な実習をはじめ、ポスター、写真、映像制作まで、幅広い分野の課題があり忙しい日々でしたが、そうした様々な授業のおかげで、広い視野を持ち、自分らしさの輪郭ができあがっていったと思います。
とくに広告的な考え方を学ぶ授業では、作品を作るだけでなく、作品についてプレゼンする機会があり、「人に伝える」言葉の重要性を学べたことも大きな財産です。仕事での、商品企画にキャッチコピーをつけて、売れるポイントをプレゼンする流れは、学生時代につねに、課題に対して行なっていたことと同じことで、「作ってから伝えるまで」を一連の課題として学べた経験は大きかったです。