思考して構成する力が非常に高く、本質的に良いものを生み出す力を持っている
株式会社ポケモン
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ポケモンのプロデュースをする会社。「ポケモンという存在を通して、現実世界と仮想世界の両方を豊かにすること」を企業理念とし、ポケモンにかかわるビデオゲーム、カードゲーム、アプリ、映像のプロデュース・開発、ライセンス事業、店舗運営等の事業を行なっています。
https://corporate.pokemon.co.jp/
2025年2月更新
深い思考と愛着を持ってデザインの可能性を広げ、未来を切り開く存在に
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田中雅美さん
株式会社ポケモン
常務執行役員
管理本部 本部長
ポケモン×アート推進室 担当
株式会社ポケモンは、ポケモンをプロデュースする会社です。
世界中でポケモンが長く愛される存在であるために、様々な事業や活動を行っています。
デザイナーが関わる仕事は、直営店舗のポケモンセンターやポケモンストアで販売されるオリジナル商品の開発・ゲームのパッケージやタイトルロゴのデザイン・プロダクトやサービスの魅力を伝える、あるいはイベントなどの活動に使用されるアート素材の制作とデザイン・アプリゲームに使用するイラストやアニメーションの制作など、多岐にわたります。
多摩美を卒業したデザイナーは5名在籍していますが、全員が技術的な能力だけでなく、深い思考をもとにデザインを構成する力が非常に高く、長く愛されるものを生み出す力を持っています。それぞれの得意分野がありながらも興味の幅を広く持ち、仕事で色々なチャレンジをしながら新しい力を付けていて、本当に頼もしく感じています。また、彼らは幼い頃からポケモンに触れて楽しみ、身近に感じている世代です。ポケモンに対する愛着を持ってものづくりに向き合うことが、クオリティの高さにつながっているのではないでしょうか。
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そしてもう一つ、彼らに共通しているのは「人を楽しませたい」という想いです。飛行機のデザインについて考えていたときにも、「長い体のポケモンが機体に巻きついて空を飛ぶ姿に驚きがあるのでは?」、「乗るときにポケモンと目が合うようにできたら楽しい」というアイディアを出し合って、見る人の気持ちがワクワクするようなものを提案してきました。
エンタテインメント事業は数年先の動向を予測することが極めて難しいからこそ、ここで働く一人ひとりがユーザーのニーズの先を行く発想や思考を積み重ね、自分だからできることを増やしていってほしい。その積み重ねが、ポケモンの素晴らしい魅力を新しい世代に伝え続けていく大きな力になるでしょう。これからもきっと、私たちの想像を超えることをやってくれると期待しています。
学生生活で得た幅広い知見をベースに、コンセプトを重視したものづくりに取り組む
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永山高輔さん
2021年|グラフィックデザイン卒
株式会社ポケモン
開発プロデュース部
デザイナー
現在は、ゲームの世界観を伝えるためのマップアートを初めとしたプロモーション素材の制作を担当しています。例えば、これから発売されるゲームについて、その世界を冒険するワクワクをたくさん感じてもらうために、1枚のイラストでどのように表現したらいいのかをディレクションします。出来上がった素材はプロモーション映像やWebページ等で使用されて、世界中のポケモンファンの目に触れることになります。
大きなやりがいと共に、「それに値するものをつくらなければ」というプレッシャーもありますが、絶対に妥協しないという決意を持って取り組んでいます。
入社してから現在まで、複数の部署に所属して様々な仕事に関わってきました。その中でも特に印象深かったのは、ANAの飛行機のデザインです。初めに頭をよぎったのは、これだけ大きなものに対してデザインできる機会はなかなか無いということでした。大空を舞う壮大なスケール感を表現し、見る人に驚きを与えたいという想いで、レックウザという龍のように威風堂々とした伝説のポケモンが機体に巻きついているデザインを提案しました。
見た人や乗った人に喜んでいただけたことも嬉しかったですし、ANA社員の方からも「巻きつけるという発想は今までにない、新たな発見になりました」と声をかけていただき、達成感と自信につながりました。
多摩美のグラフィックデザイン学科では、イラストや広告・タイポグラフィ・写真・WebのUIデザインなどと、デザインに関して幅広く学ぶことができました。学内の友人たちの好きなものや興味もバラエティーに富んでいたので、それまで自分にはあまり強い関心がなかった分野の情報にも自然に触れることができ、大きな刺激を受けました。様々なジャンルの仕事に携わる中で、学生時代の学びや経験が役立っています。
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また、当時の課題で提出した作品では、アウトプットのクオリティが高いこと以上に、コンセプトがしっかりしたものが評価されていました。働き始めてから実感が増してきたことですが、アウトプットのクオリティを高めることはある種当然で、仕事の本質は何のためにどう表現するのか、というコンセプトを突き詰めて、形にすることだと思います。
先生方のレビューは厳しかったですが、美大生として多くの時間をデザインや制作に費やし、作品を見てもらう機会をたくさん持てる環境は本当に贅沢だったと振り返っています。多摩美は施設も充実しているので、どんどん活用して、がむしゃらに良い作品を、自分の納得いく作品をつくってください。