「モノをつくる力」と
「モノで表現する力」を養う
陶、ガラス、金属を自在に扱う授業を通し、素材と身体と思考の連関の中から「モノをつくる力」と「モノで表現する力」を養う工芸学科。時代ごとに様相を変える工芸を理論と技術から探究し、デザインとアートに広がる領域に応用できる造形力・表現力を鍛えます。工房は国内大学で最大級の規模を誇り、ガラスを生み出す200kgの溶解炉、陶を焼成する大小17基の電気炉とガス窯、溶接・絞りといった金属加工に必要な機器・当て金など充実した設備に加え、教員が作家として第一線で活躍していることも特色です。学内外での作品発表や企画・運営、社会とつながる学びを通して創造性豊な人材を育成しています。
- キャンバス:
- 八王子
- 定員:
- 60名
- 在学生数:
- 242名
学びの特色
発想と構想の技を鍛え、
素材加工の技術を併せて学ぶ
自由な着想を構想化して発展させるための発想を技術論として学びます。それを作品として表現するにあたり、先人が蓄積してきた伝統的あるいは現代的な技法を的確に操作するために、基礎的、応用的な側面から習得し鍛えます。
ものつくりの体幹力と
応用力を習得する
陶、ガラス、金属という加工が困難な素材を自由に扱うために、少人数カリキュラムを通して時間かけ、身体を使い、対話を重ねて学びます。これは将来のものつくりや、異なる素材・ジャンルでの活動、就職先において高い対応力を発揮します。
創作へのモチベーションを高める、学内外の作品発表
学内、学外で展示の機会を数多く設けています。4年次には、キャリアパスの一環として、学外での展示会を企画・運営する試みも行い、作家として活動する素地を固めていきます。さらに、産学官共同研究の取り組みも始めています。
学びの領域
陶/ガラス/金属
取得できる資格
- 中学校教諭一種免許状(美術)
- 高等学校教諭一種免許状(美術)
- 学芸員資格
卒業後の進路
- 陶・ガラス・金属などの造形作家
- 企業の企画開発クリエイターなど
教育課程
1、2年次の基礎課程のうち、1年次は陶、ガラス、金属を身体で感じながら、基本的な製作工程と扱い方を学びます。2年次からは3つのプログラムからひとつを専攻し、自由な発想力の育成と、加工技術、道具の使い方、機械・機器の操作方法などの基礎を習得します。3、4年時の専門課程では、より高度な技術・技法の学びと並行し、作品化への思考の道筋と造形力・表現力を磨きながら、社会との連携を図ります。
1年次
陶、ガラス、金属の3つの素材の 基本的な知識と技法を習得。
陶、ガラス、金属の3つの素材を身体で感じながら、基本的な制作工程を学びます。生の素材に触れた時、私たちはたとえわずかでも驚きや楽しさを感じます。そんなつくり手としての新鮮な感覚への気づきを大切にしながら、素材に身体(技法)が関わることで作品になっていく基本的な制作工程を、段階的に高度化する各工房のカリキュラムから学びます。
2年次
基礎を固め、自らの関心に応じた テーマの発見を目指す。
1年次の経験を踏まえて、陶・ガラス・金属の3つのプログラムのいずれかを専攻します。各プログラムでは、課題を通じて基礎となる技術や専門的な知識を学びます。素材と技法の探求をする中で自由な発想力を養うことを目的としています。
3年次
自らのテーマを専門的に深め、 個性的な表現を目指す。
各プログラムにおいて素材の加工技術や技法を修得しながら、自らのテーマを専門的に深め、個性的な表現を目指します。同時に、作品を社会に向けて発信する際に理解と共感を得られるようにプレゼンテーション力を鍛えます。
4年次
4年間の集大成として、 制作理論と実技の統合を目指す。
自らのテーマに基づいて理論と実技の統合を目指すとともに、4年間の集大成として卒業制作に取り組みます。また、キャリアパスとして学外で展覧会を企画・運営する試みも行い、作家として活動する素地を固めるとともに、就職なども見据えたキャリアプランの力をつけることも目指します。
※ 学ぶ目的によって「教養科目」「美術理論科目」「言語科目」「リテラシー科目」の4つに区分しています。これら4つの区分から、自分に合った科目を組み合わせて履修できます。
作品
素材の特質を体感し、技術を習得する中で養われた心身全体で思考する能力を作品へと繋げています。作品のサイズやモチーフの有無、その捉え方などはさまざまで、各自が自由な観点で表現を探っています。
施設・設備
国内大学で最大級の規模を誇る工房には専用の設備や道具が揃い、専門性の高い造形経験を積むことができます。一人ひとりに制作スペースが与えられ、原則的に課外時間でも利用可能なため十分に制作活動に専念できます。
工芸棟群(陶棟/ガラス棟/金属棟)
彫刻棟と同じくそれぞれの工房を、独立性と連帯性の両立というテーマでまとめています。ガラスと陶の釜を中央広場に面して設け、学生たちの創造の現場自体を展示空間としてデザインしています。陶棟:窯場
1.5立米のガス窯を含む大小17基の窯があり、多様な方法や温度帯で作品を焼成することができます。陶棟:釉薬室
釉薬調合や施釉に必要な機材(コンプレッサーを含む)や原料が揃います。膨大な釉薬調合データが参照できます。陶棟:電動ロクロ
自由に使用可能です。ガラス棟:ホットワーク室
ガラスを生み出すための溶解炉は200kgの規模で、国内大学で最大級です。ガラス棟:キルンワーク室
キルンワークのための大型電気炉3基のほか、中・小型電気炉も多数備わっています。ガラス棟:コールドワーク室
冷めた状態のガラスを、切る・削る・磨くための様々な機材が備わっています。金属棟:絞り実習室
主に絞り技法による制作のための当て金、金鎚が多数あります。 TIG溶接機、プラズマ切断機などもあります。金属棟:溶接実習室
半自動溶接機、TIG溶接機、ガス溶接、その他の金属加工が出来る機器などがあります。金属棟:鍛造場
エアハンマー、ガス炉、コークス炉、重油炉などがあります。鍛造に伴うアンビル、各種金鎚があります。ギャラリー
講評会や展覧会で使用します。吹き抜けの開放的なギャラリー空間に作品を展示することができます。就職・進路
陶芸家、ガラス作家、金属工芸家やジュエリー作家の他、美術家、造形作家などの作家・創作者への道に進みます。また、約半数の学生は、実材料を操作して創作や制作をする経験を活かし、各種製品(家具、玩具、文具、服飾品、靴、カバンなど)のデザインや製造をする企業に就職しています。
2023年の進路状況
- 就職者21名
- 就職希望者27名
- 進学者11名
- 作家・起業など5名
- その他20名
過去2年の主な就職先
ゲーム・アニメ・CG
コーエーテクモゲームス/任天堂
医薬品・化粧品・食料品
カステラ本家福砂屋
新聞・出版
岡谷市民新聞社
玩具・文具・生活雑貨
HARIO
靴・バッグ・装飾品
鎌倉彫金工房/ケイ・ウノ/俄/HARIOランプワークファクトリー
繊維・テキスタイル
丸眞
建築設計・店舗・空間
研創/シミズオクト/夢真
テレビ・映画・舞台
四季/テレビ東京アート
官公庁・学校・福祉施設
東京都教育委員会
その他
アウトソーシングテクノロジー/IMAGICA GEEQ/富岡総合病院/日本通運株式会社(美術品事業部)
活躍する先輩
教員紹介
2024年4月時点