ラオスODOP プロジェクト
「ラオスODOP* プロジェクト」とは
* ODOP(One District One Product)=一村一品
ラオスは、日本の50年前に似ていると言われ、自然の恵みや伝統的な手法を用いて作られた産品などが昔のままの形で残っていますが、現在では大量生産や廉価な製品に押されその多くが姿を消しつつあると言われています。
「ラオスODOP(一村一品)プロジェクト」は、JICAの技術協力プロジェクトで、貧しい農家の副業とされている手工芸、地場に密着した小規模な農産加工品、特産物栽培などを支援する活動です。
2010年より関わってきた「ラオスODOP1プロジェクト」では、本学のバナナテキスタイルプロジェクトが、ラオス南部の1村を対象にバナナ繊維の活用とその織物製品のデザイン、製作の支援を行ってきました。
大学院美術研究科博士前期課程(修士課程)のDay-seeプログラムでは、ODOP1に引き続き2012年から始まったJICAの「ラオスODOP2プロジェクト」と協働し、地域はラオス南部5県を対象に、竹・ラタン・織物・陶器など地域住民の生産向上に繋がる産品開発デザインと産品のパッケージデザインの支援活動「ラオスODOPプロジェクト」を、2013年度から2015年度までの3年間実施しました。
ラオスODOPプロジェクトの実施体制
2015年度活動報告
視察
6月24日から29日まで、学生は竹・テキスタイル・陶器の3つのチームに分かれ、11月のワークショップに向けた視察を行いました。
ラオス南部6カ所の村での生産者に対する手工芸品への聞き取り調査を中心に、市場やクラフトショップでの産品調査、またラオス国立美術専門学校での視察を行いました。また今回は昨年度ワークショップのフォローアップを行い、産品づくりの疑問点や問題点を解決すると共に、陶器の村では石膏型を使ったミニワークショップを実施しました。
ワークショップ
1月18日から28日まで、竹・陶・テキスタイルの生産者を対象に製品デザインのワークショップを3カ所の手工芸の村、施設で行いました。南部5県の8村から35名の生産者が参加、また学生も15名が参加と過去最大規模での実施となりました。
プロジェクトの最終年度ということで、今までの活動の中で重点としてきた“デザインという考え方”“自由に創作する楽しみ”をより感じることができ、生産者と学生が共に考え、共にものづくりを試みるワークショップを目指し、行いました。
これらのワークショップを経て今後も、生産者自らがよりよいものづくりに向け創意工夫をし、新たな手工芸品の可能性につながることを願います。
陶ワークショップ
竹ワークショップ
テキスタイルワークショップ
2014年度活動報告
視察
6月23日から29日までラオス南部7カ所の村を訪ね、11月のワークショップに向けた視察を行ないました。2014年度から竹・テキスタイル・グラフィックの他に、新たに陶器のチームが加わりました。
生産者に対する聞き取り調査、市場やクラフトショップでの産品調査に加え、ラオス国立博物館の見学などから、ラオスの歴史への理解を深めました。視察では前回ワークショップのフォローアップを行なうと共に、日本で制作したデザインサンプルを持参し、生産者へ新たな技術の提案を行ないました。
ワークショップ
11月12日から22日まで、竹・陶・テキスタイルの生産者を対象に製品デザインのワークショップを3カ所の手工芸の村で実施し、南部5県の8村から30名の生産者が参加しました。
学生のデザインした製品を提案するだけでなく、“デザインという考え方”や “自由に創作する楽しみ”といった、生産者主体のものづくりにつながる試みを行ないました。
今回提案した製品デザインを経て、生産者自らがデザインを行い、村ごと、生産者ごとの性質が出て来ることを期待しています。
また今回は、グラフィック研究領域の学生が、日本で現地と連絡を取りながらジェオ(ラオスの調味料)のラベルデザインに取り組みました。
陶ワークショップ
竹ワークショップ
テキスタイルワークショップ
2013年度活動報告
視察
学生は竹・ラタン・テキスタイル・パッケージの4チームに分かれ、各手工芸品について6月26日~7月2日までラオス南部6ヶ所の村を訪ね、産品製作工程の視察及び生産者に対する聞き取り調査,市場やクラフトショップなどでの産品の販売状況、パッケージデザインにかかわる印刷会社の状況など様々に事前調査や視察を行いました。
ワークショップ
11月13日~22日まで、竹・ラタン・テキスタイルの生産者を対象に製品デザインのワークショップを3ヶ所の手工芸の村で実施しました。参加した生産者は、ラオス南部各地域14村から45名が集まりました。
学生は、事前に準備し持参した資料やサンプルの製品などを紹介し、製品デザインについての考え方や製作方法などを丁寧に指導しました。参加した生産者達は熱心にまた楽しんで製作に取り組み充実したワークショップとなりました。
今回、提案した製品デザインが、他の生産者に伝えられると共に、製品の品質の向上に繋がることと、応用した製品が生まれることを期待します。
ワークショップとは別に、グラフィックザイン研究領域の学生が、シャンプーとコンディショナーのラベルデザインの依頼を受け、学内で現地と連絡を取りながら計画し、採用されました。すでに地元ホテルや展示会でシャンプーとコンディショナーにデザインしたラベルが貼られ商品が販売されています。