構成主義
Constructivism, Konstruktivizm
 

ロシア革命前から1920年代にかけてソ連で展開した芸術運動。13年にV・タトリンが、P・ピカソやシュプレマティズムの影響から始めた鉄板や木片によるレリーフを「構成」と呼んだのが発端で、これは彫刻の歴史上初の完全な抽象彫刻であること、量塊ではなく空間を表現した彫刻であることなどの点において革命的であった。が、17年のロシア革命の実現とともに、こうした要素は社会主義原則に基づくより良い社会を建設するための力として政治化し、20年頃に教義――擬似性の否定、社会的有用性、素材開発――として確立されることとなった。こうした教義に従って、A・ロドチェンコやE・リシツキーは工業デザインに精力的に携わり、タトリンは《第三インターナショナル記念塔》を計画。これらの非再現的表現、機械・工業的表現に基づく幾何学的イメージから、彼らがブルジョワ文化の象徴としての「絵画」を否定し、工業化・大衆化によるユートピアの建設を目指していたことが窺えよう。しかしながら25年の共産党中央委員会による抽象美術の否定、30年代の社会主義リアリズムの台頭により、ロシア国内での構成主義は終結を余儀なくされた。なお、芸術の政治化を忌避したメンバーは国際構成主義として西欧に赴き、抽象美術の波及に大きな影響を与えた。



関連URL

P・ピカソ:http://artchive.com/artchive/P/picasso.html
A・ロドチェンコ:http://www.mopa.org/pc-rod2.html
E・リシツキー:http://eldred.ne.mediaone.net/el/el.html

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