天球儀　市川裕司　2017　瑞聖寺蔵　撮影：島村美紀　協力：コバヤシ画廊

　火山やビル、ピラミッドなど巨大物体を透かし見る技術「ミュオグラフィ」。それは1000万年の旅で地球に届いた宇宙線と、大気で生まれる素粒子「ミュオン」を観測する先端サイエンスです。 本展は時空と対峙するミュオグラフィと宇宙や自然と向き合い感性・思想を目で見て音で聞こえる「姿」にしてきた芸術の接点を探り、その融合が導くミライを占うものです。サイエンスは仮説の実証、芸術は感性の具現化をする分野ですが、実にそこには創造的行為で「目に見えないものを分かるようにする」究極の目的が共有されているのかもしれません。歴史上、ルネッサンス期には技術と芸術が共に「創造」の産物として「ART」と理解されたことは注目すべき認識でしょう。そして今、ここに芸術とミュオグラフィが出会いを果たし未知への誘惑と創造の地平が開きます。 本展ではメディアアートやサウンドアートの他に日本画・油画・ガラスなどのファインアート、さらにハンガリー出身作家がミュオグラフィ研究者とのインタラクションをベースにした公開制作を行います。またスイス・ジュネーヴを拠点としサイエンス＆アートの融合世界を発信するart @ CMSからの参加、米国出身作家が手掛ける、科学の深い理解に基づいたデジダルペインティングによる「ミュオグラフィ絵物語」とも言うべき作品も発表されます。 宇宙と大地そして人智が交差するダイナミックなサイエンスと日本と欧米の感性が響く空間をどうぞご体験ください。

1.無限（部分）　山田真澄　2018
2.ミュオンの目　中島裕司　2018
3.玉響 tamakagiru　Otograph　2018
4.Muon Detection　サラ・スタイゲルバルド
(ミュオグラフィ研究者 田中宏幸とのコラボレーション)　2018
5.水双竜図　中野嘉之　2011
6.眠りを見つめる風　中堀慎治　2014　 大西康彦氏蔵

出品作家

アーグネス・フス　Agnes Husz
市川裕司　Yuji Ichikawa
岡村桂三郎　Keizaburo Okamura
オトグラフ　Otograph
加山又造（特別出品）　Matazo Kayama (Special exhibit)
久保田晃弘　Akihiro Kubota
サラ・スタイゲルバルド　Sara Steigerwald
中島裕司　Hiroshi Nakajima
中野嘉之　Yoshiyuki Nakano
中堀慎治　Shinji Nakabori
ノーマン・D・クック　Norman D. Cook
林武文　Takefumi Hayashi
マイケル・ホッシュ　Michael Hoch
山田真澄　Masumi Yamada
行武治美　Harumi Yukutake

関連イベント

第一部 「ミュオグラフィアートの魅力」
講師　角谷賢二 氏（国際美術研究所所長・元関西大学シニアＵＲＡ）
第二部 「ミュオグラフィとアート」
講師　中島裕司 氏（画家・日本美術家連盟会員）

「ミュオグラフィ」
講師　田中宏幸 氏（東京大学地震研究所教授）

「Mμsic MUOGRAPHY SYMPHONY
　ミュオンの交響曲 ―ミュオグラフィから音楽にかわるまで」
講師　フェデリーコ・イアコブッチ 氏（作曲家）

• 定　員 各回100名（当日先着順）
• 参加費 無料（但し要入館料、予約不要）
• 会　場 多摩美術大学美術館B1階多目的室

アーティスト：アーグネス・フス Agnes Husz
音響制作：後藤天

• 会　場 多摩美術大学美術館 展示室

〈主催〉多摩美術大学美術館
〈共催〉東京大学地震研究所・関西大学
〈協力〉マクセル株式会社
〈後援〉駐日ハンガリー大使館・イタリア文化会館
　　　　ハンガリー科学アカデミー・ウィグナー物理学研究センター

休館日◎火曜日
開館時間◎10：00〜18：00（入館は17：30まで）
入館料◎一般300円（200円）　大・高校生200円（100円）
　 ※（　）は20名以上の団体料金　障がい者および付添者、中学生以下は無料
〒206-0033 東京都多摩市落合1-33-1
電話◎042-357-1251
交通◎多摩センター駅　徒歩7分　（京王相模原線・小田急多摩線・多摩モノレール）