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三上晴子「Eye-Tracking Informatics Version 1.1」―YCAMとの共同研究成果展


2015年1月2日に急逝した元情報デザイン学科教授でアーティストの三上晴子が、2011年に制作した《Eye-Tracking Informatics(アイトラッキング・インフォマティクス)》(YCAM委嘱作品)のアップデート版(Version 1.1)を展示します。

この作品は、三上の90年代の代表作「Molecular Informatics」の「視ることそのものを視る」「視線を成立させる意識と無意識の連鎖」という基本的なコンセプトをベースに制作されたもので、デジタルメディアの特性を生かしたメディアアート作品の保存修復、さらにはその共有とバージョンアップのための新たな方法論を検討するために、今回2018年度学内共同研究、およびアートアーカイヴセンターの活動の一環として、YCAM(山口情報芸術センター)と共同で再展示を行ないます。

展示会場には2面の巨大スクリーンが設置され、本バージョンで新たに導入された視線検出用デバイスを装着した体験者が、自らの視線の動きが生み出した3次元仮想空間内の動的構造物を「視る」ことができます。さらに、2人の体験者の視線構造物が共有空間内で交錯し、体験者は意識と無意識の狭間にある視線の触覚的な側面を体感していきます。

多摩美術大学情報デザイン学科設立20周年記念
三上晴子「Eye-Tracking Informatics Version 1.1」
―多摩美×YCAM 2018年度共同研究成果展

日時:2019年1月9日(水)~1月11日(金)12:00〜19:00(入場無料)
会場:多摩美術大学アートテーク ギャラリー105
主催:2018年度学内共同研究費
   「メディアアートのための生成するアーカイブの実装と運用」
協力:山口情報芸術センター[YCAM]
   多摩美術大学 アートアーカイヴセンター
   情報デザイン学科メディア芸術コース

三上晴子
アーティスト。1961年生まれ。1980年代から情報社会と身体をテーマとした大規模なインスタレーション作品を発表。1992年から2000年までニューヨークを拠点に主にヨーロッパとアメリカで数多くの作品を発表する。1995年からは、知覚によるインターフェースを中心としたインタラクティブアート作品を連続的に発表。視線入力による作品『Molecular Informatics: Morphogenic Substance via Eye Tracking』(キヤノンアートラボ/96年)、聴覚と身体内音による作品「存在、皮膜、分断された身体」(NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]常設作品/97年〜)、重力を第6の知覚と捉えた作品『gravicells[グラヴィセルズ]―重力と抵抗』(山口情報芸術センター/2005年)、情報化社会における身体性と欲望を表現した『Desire of Codes|欲望のコード』(山口情報芸術センター/2010年)などがある。主に欧米のギャラリーやミロ美術館(スペイン)、ナント美術館(フランス)などの現代美術館、またトランス・メディアーレ(ベルリン)やDEAF(ロッテルダム)アルス・エレクトロニカ(リンツ)をはじめとする世界各国のメディアアート・フェスティバルで発表。スペインの出版社Diputacion Provincial De Malagaから『三上晴子作品集』出版。2013年には文化庁メディア芸術祭優秀賞。2000年より多摩美術大学にて教鞭をとる。2015年没。

問い合わせ:
多摩美術大学メディア芸術コース研究室別ウィンドウリンク

〒192−0394 東京都八王子市鑓水2−1723 TEL:042-679-5634

今年1月にYCAMで行われたアップデート版制作作業の様子
ギャラリー105での展示計画