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NHKとの産学共同研究の第一歩となるインクルーシブ教育特別講義を開催


7月19日(金)、生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻の学生を対象とした特別講義が、八王子キャンパスレクチャーホールにて開催されました。

同専攻では、2年次から専門領域によって3つに分かれるStudio(スタジオ)制を採り入れており、Studio2では、多様化する社会のニーズに合わせ、幅広いフィールドにむけてデザインを学びます。本講義は、そのStudio2とNHKが現在進めている産学共同研究の第一歩として企画されたもので、様々な特性を持つ子どもたちが、障がいの有り無しを超えて、みんなで一緒に同じ目標に向かうことの意義を学習します。

当日は、株式会社NHKエデュケーショナルのチーフプロデューサー 佐藤正和氏(以下、佐藤氏)と、一般社団法人ボディーパーカッション教育振興会代表である九州大谷短期大学の山田俊之教授(以下、山田教授)を講師にお迎えし、ダイバーシティとインクルージョン注1をテーマにそれぞれご講演いただきました。

まずはじめに佐藤氏から、同テーマをもとにしたNHK教育番組の企画について、実際の映像や当時のエピソードを絡めながら紹介いただきました。次に、佐藤氏の番組で監修を務めた山田教授から、現在の特別支援学校の実態や、インクルージョン教育の一環として山田教授が長年普及活動を推し進めているボディーパーカッションについて、発案の経緯、近年の諸外国での活動等について説明がありました。

番組内での取り組みを紹介する佐藤氏
ボディーパーカッションの歴史を紹介する山田教授

山田教授の講義中は、合間に多くのボディーパーカッションの実演や体験を挟み、学生は実際に手や体を叩いたり、時に声を発したりと、非常に活動的な時間を送りました。自ら体を動かすことにより、ボディーパーカッションのリズムや、聴覚障がい者の方にとって重要となる振動がどのようなものか、そして次第に盛り上がる雰囲気や解放感といったマインドの変化も体感することができ、インクルーシブ教育の重要性とボディーパーカッションの深い学びに繋がりました。

本講義を皮切りに、今後、プロダクトデザイン専攻Studio2に所属する3年生は、「人の持つ感覚の多様性と協働」を課題とした制作に取り組みます。この産学共同研究の成果は、最終的にNHK教育テレビジョン(Eテレ)の11月の特番の中で紹介される予定です。

学生も積極的に参加し、笑顔があふれる講義となりました

注1:ダイバーシティとインクルージョンとは、個人の多様性を尊重すること(ダイバーシティ)と、色々な違い・特性を持つ人々を分断することなく一体感を持って活動すること(インクルージョン)の意であり、今後の共生社会に向けたキーワードです。