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講義を行う藪本氏
紀南アートウィーク総合プロデューサー 藪本雄登氏による大学院EWSの特別講義を開催
9月4日(水)、八王子キャンパスアートテークにて、紀南アートウィーク総合プロデューサーである藪本雄登氏による特別講義を開催しました。本講義は、多摩美術大学の大学院生を対象とした特別プログラム「エクスペリメンタル・ワークショップ(以下、EWS)」の一環であり、11月にアピチャッポン・ウィーラセタクン特任教授が紀南で開催するEWS集中ワークショップのスタートアップとして、すべての大学院生・学部生を対象に企画されたものです。紀南アートウィークでは過去にアピチャッポン特任教授の特集が組まれたこともあり、藪本氏とアピチャッポン特任教授には深い親交があります。
「複数化するゾミア」をテーマとした講義では、単純な地理的エリアを指す言葉としてではなく、過剰統治ともいえる昨今の社会に比例する形で今世界的な注目を集めている「ゾミア=統治されない芸術・アート」について紹介されました。内容は紀南(熊野エリア)や東南アジア諸国の文化・伝統芸能におよぶほか、日本神話や民俗学といった学問領域についても幅広く言及があるとともに、アピチャッポン特任教授の作品に見られるゾミア的な要素について解説がありました。また、美術家として活動する一方で法律家としても活躍する藪本氏からは、アートと法律の類似点や、アートと政治の関わりなどについても発言があり、参加した学生らは日常のキャンパス生活からではなかなか学べない、新たな気付きを得る好機となりました。
