三菱総合研究所・アクセンチュア・文京区役所で活躍する卒業生による、キャリアデザイン特別講義を開催
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12月11日に八王子キャンパスで、株式会社三菱総合研究所 田丸文菜さん(19卒)・アクセンチュア株式会社 川島里沙さん(21卒)・文京区役所 渡邉沙未さん(22卒)の建築・環境デザイン学科を卒業した3名をお招きし、キャリアデザイン特別講義を開催。 多摩美で学んだことがどのように仕事につながったか、さらにこれからどのようにキャリアを考えていったらよいかについて語っていただきました。
特別講義のはじめに、今回の企画者でもあり司会進行を務めた建築・環境デザイン学科の田嶋豊准教授から趣旨が説明されました。「デザインやアートを学んでいると、職業として設計事務所やデザイン事務所への就職、または独立をイメージする人が多いと感じています。しかしデザインの範囲はもっと広く、美大で身に付けた力が社会に求められていることを学生の皆さんに伝えたいと考え、全学科の学生を対象に今回の特別講義の開催に至りました。」
登壇いただいた3名からはまず最初に自己紹介として、現在各社でどのようなお仕事を担当されているか、なぜその仕事を選んだのかがお話しされました。その後に学生からの質問に答える形で、美大生の強みを社会でどのように生かすことができるかや、将来の職業選択につながる自分の興味・強み・合う会社の見つけ方のヒントをお話いただきました。若手社会人という身近な先輩だからこそ参考になる、将来設計やライフワークバランス等の三者三様の考えも伺うことができ、学生たちは熱心に耳を傾けていました。
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「最近、仕事でもアートやデザインに関する話題が増えたように感じます。企業の大小や業界を問わず、まだまだ美大卒業生が在籍しているところが少ないので、就職のチャンスは広がっていると思います。
美大だから自信がないと考える人もいるかもしれませんが、学生時代に培った表現する力はもちろん、作品作りの過程でなぜよいと思ったかを突き詰めていく力が、企業・社会で課題解決をしていくプロセスにとても生かせます。企業が取り組む”課題点の見極め”は、美大生の得意分野だと思うので、”なぜ”をとことん突き詰める力を磨いていってください。」
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「自分のやりたいことをたくさんの人に聞いてもらうと、進みたい方向性が見えてきます。
私は学生時代、まちづくりを題材にした制作の際、地元で色々な人と話をしました。自分のやりたいことを話し、聞いてもらうことで漠然としていた考えが言葉となり、そこから新しい情報や関係する人を紹介してもらえ、どんどん人とつながることができました。つながった一人に、『あなたのやりたい仕事はUXデザイン、サービスデザインだ』と教えてもらい、私のやりたいことが仕事・職業として存在していたことを知りました。隣の棟にいる他学科の学生はUXやUIという言葉を日常的に聞いて学んでいるのに、自分は知らなかったのです。ぜひ自分の世界を広げて、人に話をしていってください。」
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「美大生は作品のプレゼンで自分の気持ちを伝えることに慣れていると思いますが、伝え方は今後においても大事な観点です。
就職活動では面接をする回数が多いので、自分のやってきたこと、やりたいことを伝えることは大事です。仕事においても設計者や依頼者等、話す相手によってどう伝えるかは異なってくるので、自分の言葉で言えるようにすることを身につけていってください。」