たねの動きで遊び植物の面白さに触れるキット

相川 愛実

作者によるコメント

「たねあそび」は植物のたねをモチーフに、自然界で生き残っていくための植物たちの面白い知恵比べを楽しく遊びながら体験してもらいたいという想いから生まれたキットです。キットを自らの手で作り、実体験として遊び、最後にモデルとなった植物の情報を付属の冊子を通して知ることで、従来の図鑑とは違う視点から植物への興味を導くきっかけになってほしいと考えました。この体験を通して、日常生活の中でも植物の面白さや動きと形の仕組みなどに興味を持っていただけたら幸いです。

担当教員によるコメント

簡単な紙工作で作れる4種類のプロダクツは、空を飛んだり、動物などにくっついて子孫を残そうとする植物の種の構造を研究しデザインされている。種を紙に置き換える際に、実際の種の形状と機能との差を少なくデザインすることは容易ではない。相川は、無数の試作を作り実験を繰り返すことによって、それを実現させた。種の単なるコピーではない、デザインの具象化と抽象化のバランスが絶妙である。また、シンプルで美しいスタイリングやカラーリング、種の働きを連想させるネーミング、より深い知識を得たくなる必要最小限の説明文など、細部に至るまで丁寧に考えられている。親子で楽しく工作しながら無理なく自然界に興味を抱かせ、知識を与える工夫があり、遊びを学びに転換させる高度な論理性と感性が感じられる研究だ。

教授・安次富 隆

  • 作品名
    たねの動きで遊び植物の面白さに触れるキット
  • 作家名
    相川 愛実
  • 作品情報
    技法・素材:紙
    作品形態:キット
    サイズ:各パッケージ くるくる(H242×W87×D20mm)、すいすい(H242×W80×D20mm)、ちくちく(H242×W110×D20mm)、ふわふわ(H242×W110×D20mm)
  • 学科・専攻・コース