Beautiful Doll

神田 紗良

担当教員によるコメント

神田はいつもお洒落に気を使い、しかし芯の強い学生であった。コンセプトスケッチはシックで個性的であり、絵画を見ているような感動がある。しかし一転、ファッションスケッチはカラフルでありスタイリッシュである。それは、映像の中でも余すことなく発揮されており、クラシカルでシックなドールハウスでの出来事。エネルギッシュでクールな人間世界を本人の妹が演じ、とてもポップな編集でキュートな作品となっている。驚いたことに、撮影・衣裳・メイクすべてを自らでこなしている。このリズム感と感性は、子供の頃にステージに出演者としてあがっていたことで身についたことでもあろう。キャストからスタッフとして方向転換しても、活躍してくれるだろう。これから紡ぎ出される作品をとても楽しみにしている。

教授・山下 恒彦

作品情報

映像・模型・衣裳

演劇舞踊デザイン学科の卒業制作について

演劇舞踊デザイン学科は「演劇舞踊コース」と「劇場美術コース」の2つのコースに分かれ授業が行われます。1、2年次はそれぞれのコースで基礎を学び、3年次には2つのコースの合同制作として上演制作実習を行います。その成果を踏まえ、4年次では本学科における最終的な目標である「卒業公演」に向け「演劇舞踊コース」と「劇場美術コース」との合同制作のさらなる質的向上を追求します。目指すは、プロのレベルに比肩し得る作品の創作です。「演劇舞踊コース」ではパフォーマーとしての表現能力を、「劇場美術デザインコース」では美術、照明、衣裳等のデザイナーとしての斬新な発想力やスタッフワークの実践力を最大限に究めるために演習と実習を積み重ねます。

演劇舞踊デザイン学科初めての卒業制作は素晴らしい内容でした。卒業公演「大工」は、東京芸術劇場で演劇コースと共同で上演され、観客を魅了する独創的でエネルギッシュな舞台表現でした。舞台・照明・衣裳ゼミが一体となり、脚本構成と連動した見事な舞台美術が展開されました。映像美術ゼミは、映画美術・PV・MV・インスタレーションと多彩な卒業制作が繰り広げられました。それぞれの個性と感性によって開花した意欲作が並びました。映画美術設計は、緻密で大胆なデザインであり、PV作品は総合的なセンスが感じ取れる秀作です。エンターテインメントデザインの評価は言うまでもなく、観客の皆さんが楽しみ感動してくれることに尽きます。観客のアンケートからも、その目標は軽くクリアしていました。