重ねる街並み

早川 由真

作者によるコメント

商店街の空き店舗の場所を利用した、若い作家さんが集まるシェアアトリエ、シェアハウスの提案。商店街の魅力を残しつつアップデートしていくと共に、横須賀市の空き家の減少や、市全体を活気づけることにも繋がる計画。

担当教員によるコメント

緩やかにカーブした商店街は道路を挟んで、駅に近い側を利用する人の流れと比例するように、空き店舗が軒を連ねている。その裏手に並行する路地は少し高低差があるものの、そこに着目することで、表と裏、もしくは手前と奥といった空間が生まれ、職住一体の人が介在する場所の再生となった。いったい何があったら人が集まるのか、そう簡単なことではないと思う。つまり強い特効薬よりも、自然治癒を施す漢方のような設計が必要だ。そういった意味で配慮が行き届いていることが共感を呼んだ。そして提案の視野角というかバランス感覚に、今後を大いに期待してしまった。

教授・米谷 ひろし