生きづく路地

菊地 奎介

作者によるコメント

対象地である東池袋は比較的小さな住宅やアパートが僅かな隣棟間隔で建ち並んでいる。道路が細く複雑に折れ曲がり魅力的な路地空間が張り巡らされている。しかし都市化とともにこの敷地が受け継いできた路地が削られ崩れつつある。そこで本提案では路地空間で地域とつながる共同住宅を設計する。

担当教員によるコメント

これは、東池袋の密集地に計画された共同住宅と路地計画である。この地域には、密集した住宅群・放置された空き家・無計画に建築されたマンション等が建ち、整備の遅れが目立つ。これらの原因として、古い敷地の区割りと道路整備の遅れが挙げられる。作者は、この地域を詳しく調べ、空き家や未整備の路地、そして既存の建物のわずかな隣棟間の土地を融通し繋げることで、新たにモール状のまとまった土地を確保。そこに集合住宅や店舗や小さなオフィスを複合させ、新しい活気ある路地を再生させた。この計画によって、今まで風通しが悪くモノに溢れた暗い路地裏は、見事に清潔で過ごしやすい路地空間となった。この地域の小さな再開発の手本として高く評価した。

教授・田淵 諭