変わりゆく世界の中で

安藤 瑠花

作者によるコメント

時代が変化していく中で日々報道される悪いニュース、良いニュース。混沌とした世の中を目の当たりにし、自分は本当に幸せに生きてきたなあと思っていた。今回は4歳から23歳にいたる2001-2020年までに自分自身に起こった幸せなエピソードと、同じ時に起きた世の中の事象をまとめた一冊の本を製作した。

担当教員によるコメント

安藤瑠花の日常からは、繊細で明るい性格や自己犠牲もいとわず他人のことを本気で想いやる優しさを感じていた。一転、仕事となると納得いくまで執拗にアドバイスを咀嚼しようとし、なりふり構わずひたすら質の高い結果を出そうとするど根性が顔を出す。一人の人間に同居する“異質の幅”が彼女の最大の魅力だと思う。卒業制作は現在に至るまでの約20年間、自身の心に深く記憶された個人的出来事の記録集である。普通の人ならば見過ごしてしまいそうな他愛のない事柄を主役に仕立て上げる鋭い感性がユニークだ。また、それらをビジュアル化する手段として用いた安藤らしい暖かく大らかなイラストレーションが本当に素敵だ。ここでも彼女は“ギャップ”という魅力を際立たせている。素晴らしい力作である。

教授・澤田 泰廣

  • 作品名
    変わりゆく世界の中で
  • 作家名
    安藤 瑠花
  • 作品情報
    グラフィックデザイン
    技法・素材:タブロイド紙、アクリルガッシュ、鉛筆、Photoshop、Illustrator
    サイズ:本 H728×H515mm(64頁)
    タイポグラフィ:伊藤澄玲
  • 学科・専攻・コース