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伊藤 美紀

作者によるコメント

今回の製作では、普段目にする硬質でフラットなものが柔らかく生っぽくなった状態を見たいという思いから、6点の道路標識を布や綿、アルファベットに対応した指文字を用いて表現した。内容は、GO、STOP、SLOW、 DETOR、GIVE WAY、SPEED LIMIT 20。

担当教員によるコメント

コミュニケーションとデザインをめぐるユニークな実験作品である。手になった文字、柔らかくなった道路標識。文字を読み取れなくても、見る人に何かを語ろうとしているということがひしひしと感じられる。道路標識という日常的モチーフを発見したことがまず鋭いと思う。そこには円や正方形や八角形など形と意味の問題が含まれているし、最低限の文字で伝えるというデザインの典型がある。その典型が異質なものに変身してしまった驚き。部分的に塗られた肌の色の滲むような淡さが、この作品を文字通り血の通ったものにしていると思うし、洞察を具体的な造形として表現する作者の力量がそこに現れているように思う。

教授・服部 一成

  • 作品名
    sign
  • 作家名
    伊藤 美紀
  • 作品情報
    グラフィックデザイン
    技法・素材:布、水彩絵具、ウレタン、綿、木材
    サイズ:H1600×W500×D200mm、H1500×W500×D200mm、H1250×W550×D200mm、H1200×W400×D200mm、H1100×W600×D200mm、H750×W600×D200mm
  • 学科・専攻・コース