グラフィックデザインとしての彫刻:森 -紙でできた簡易的な立体の羅列-

中馬 拓人

作者によるコメント

グラフィックデザインとして彫刻を作ろうと思った。私は彫刻とは一つのものを作ることで、グラフィックデザインとは一つのものを起点として物事を構成することだと考えた。これを彫刻とは木であり、グラフィックデザインとはそれによって構成される森であるととらえグラフィクデザインとしての彫刻という森を作った。

担当教員によるコメント

「グラフィックデザインとしての彫刻」というタイトルからして「考え過ぎでは?」と思えるほどに、頭の中でああでもないこうでもないと巡り続けた末に現れた、観念の表出のような立体。この作品は、彫刻というファインアートの立体表現と対峙させることで、自分がこれからの人生で取り組もうとしているグラフィックデザインとはいったい何なのかを考えようとしたものだと思う。作者は言う、「彫刻は木で、グラフィックデザインは森だ」と。強引だとも思うが、時には強引な仮説を立てなければ前に進めないこともある。とにかく作者は前進し、作品は生まれた。その意味するところは未だ流動的で、こちらの頭もぐるぐると回り続ける。

教授・服部 一成

  • 作品名
    グラフィックデザインとしての彫刻:森 -紙でできた簡易的な立体の羅列-
  • 作家名
    中馬 拓人
  • 作品情報
    グラフィックデザイン
    技法・素材:光沢紙、Illustrator
    サイズ:紙製の柱 H2000-3500×W700×D700mm(18点)、ポスター H1030×W728mm(2点)、DM H297×W210mm(2種多数発行)
  • 学科・専攻・コース