Everyday Tactics, Shapes of Topology and Shadows

髙橋 美乃里

担当教員によるコメント

太陽高度の低いフィンランド留学で得た独特の影の形の在り方から、日常の時間感覚や常識を疑うようになり、「物の形が変わること」への強い興味を基に、類いまれな色彩感覚と豊かな詩情性にあふれた優れた絵画を実現させている。様々な有機的な形態が浮遊しつつ空間を自在に構成し、ざらついた魅力的なマチエールが触覚的な満足を与えている。トータルな絵画性は、古代から現代絵画へと通じる共通項を感じさせている。一方の棚状の立体も、変化可能な板の配置の機能は活かしながらも、通常の棚としての使用を拒むユニークな作品である。「棚に物を配置する」というありふれた日常の反転を試みる、高橋さんのベーシックな姿勢が好感を抱かせる作品となっている。

教授・中村 一美

  • 作品名
    Everyday Tactics, Shapes of Topology and Shadows
  • 作家名
    髙橋 美乃里
  • 作品情報
    『Everyday Tactics』
    素材・技法:木
    サイズ:H91×W182×D30cm

    『Shapes of Topology and Shadows』
    素材・技法:パネル、油彩
    サイズ:可変
  • 学科・専攻・コース