found places, rooms

二ノ宮 美羽

担当教員によるコメント

勢いや鮮やかさを保ちながらどこまで描くか、どこで終わらせるか。描きすぎると鈍くなり、描かなすぎれば薄っぺらになる。二ノ宮さんはそういった葛藤と常に向き合い、日々膨大な量の絵を描きながら、理想の地点を探していたように思う。卒業制作では厚手の布にドローイングし、それを切り貼りして画面をつくった。即興的に描く瑞々しさと重層的に構築する充実感の両方を満たした手応えを彼女は感じることができたのではないか。ここでは絵具の染みが奥行きを感じさせ、布の切り口が線として構成されている。一つの画面に表と裏が共存し、表地の澄んだ透明感と裏地の物質感が両立している。こうした彼女特有のバランス感覚は今後いっそう見応えのある作品を産み出すはずだ。

准教授・日野 之彦

  • 作品名
    found places, rooms
  • 作家名
    二ノ宮 美羽
  • 作品情報
    『 found places 』
    素材・技法:綿布、木板、油彩
    サイズ:H120×W89cm

    『 rooms 』
    素材・技法:綿布、木板、油彩
    サイズ:H180×W111cm、H175×W118cm
  • 学科・専攻・コース