A
石渡 由菜
A. 嘘みたいに飛び交う箱のなか
素材・技法:キャンバス、油彩 サイズ:H162×W162cm
B. ひかりの助走/グリーンバックの地図、およぐ影、記憶のダイアローグ
素材・技法:キャンバス、油彩、オイルパステル サイズ:H210×W270cm(3枚)
担当教員によるコメント
石渡の作品で最初に印象に残ったものは、近所を紙粘土でつくりそれを元に描いた絵画だ。近所を描くのは、近い存在について実は何も見ていないということに自覚的になったからだろう。そう考えると紙粘土で空間をつくることは、そんな場を触覚によって知覚し記憶に留めようとする試みかも知れない。卒業制作に提出した作品群はそこからずいぶん変化した。空間に劇的な「光」を与え、それと同時に自分の作り上げた場に「遊ぶ」要素が増えてきた。空間は色めき立ち、光は曲げられ、「石渡劇場」と呼べるような多くの要素(アクター)が演目に取り組んでいる。それは石渡が絵画空間をまるでドラえもんに出てくる空き地のように、自由に遊べる場として再認識したからではないだろうか。石渡の作品はメディアの転換、解釈の転換を経て、また新たな一歩を踏み出した。
教授・菊地 武彦
担当教員によるコメント
石渡の作品で最初に印象に残ったものは、近所を紙粘土でつくりそれを元に描いた絵画だ。近所を描くのは、近い存在について実は何も見ていないということに自覚的になったからだろう。そう考えると紙粘土で空間をつくることは、そんな場を触覚によって知覚し記憶に留めようとする試みかも知れない。卒業制作に提出した作品群はそこからずいぶん変化した。空間に劇的な「光」を与え、それと同時に自分の作り上げた場に「遊ぶ」要素が増えてきた。空間は色めき立ち、光は曲げられ、「石渡劇場」と呼べるような多くの要素(アクター)が演目に取り組んでいる。それは石渡が絵画空間をまるでドラえもんに出てくる空き地のように、自由に遊べる場として再認識したからではないだろうか。石渡の作品はメディアの転換、解釈の転換を経て、また新たな一歩を踏み出した。
教授・菊地 武彦