欠片, Falls
福田 杏梨
担当教員によるコメント
福田の作品は、街を歩いているときに落ちていた自然物(おもに葉)を毎日拾い集め、それを描いたものだ。卒制の1点は、1年以上にわたり1日1枚水彩で実物大に描いたものだ。展示はカレンダー形式にし、見る人が自然に年月を追えるようなかたちをとっている。モチーフ選びには大きなコンセプトはないとのことだが、日々の出会いを重視していることは確かだ。描かれた葉は春にみずみずしい若葉が多いわけでも、秋に紅葉の落ち葉が多いわけでもない。これは福田の視線が美しい落ち葉よりも枯れてゴミのようになってゆくものへ向けられているからだ。そしてそのことがかえって淡々とした日々の流れを伝えてくれる。ところで、このように日常を大切に扱い、繰り返し毎日描くのはどんな意味があるのだろうか。平凡な日々を愛おしむ「願い」のようなものだろうか。
教授・菊地 武彦
- 作品名欠片, Falls
- 作家名福田 杏梨
- 作品情報『欠片 』
素材・技法:パネル、水彩
サイズ:H160×W160×D3cm
『Falls 』
素材・技法:紙、水彩
サイズ:可変 - 学科・専攻・コース
- カテゴリー