奥谷 風香
TOKYOTOPUKARINTOWN
素材・技法:木、石、鉄、プラスチック、他 サイズ:可変
担当教員によるコメント
たとえば渓谷にかかる橋の上から遠い景色に映る自分の影を見つけたとき、あるいは電車から眺めていたビルの窓に自分が乗っている電車が映りこんでいるのが見えたときなど、ふと距離の存在が見えたと感じることがある。奥谷風香の作品を見ていると、そのような感覚が呼び覚まされる。工事用のフェンスや木材、プラスチック製品などの少し頼りない素材を、独特の色彩感や距離感で配していくインスタレーションである。とりとめのないように見える空間であるが、一つ一つのものが意思を持ってそこにあるのではという気配が漂い始め、ある秩序が生じる。ところがその秩序には少し隙間が空いていて、その隙間から、その場にはないもの、そして外界へと意識がつながってゆき、自然の風の音や、寄せては返す波のように流れてゆく時間をそこに感じるのである。
教授・吉澤 美香
担当教員によるコメント
たとえば渓谷にかかる橋の上から遠い景色に映る自分の影を見つけたとき、あるいは電車から眺めていたビルの窓に自分が乗っている電車が映りこんでいるのが見えたときなど、ふと距離の存在が見えたと感じることがある。奥谷風香の作品を見ていると、そのような感覚が呼び覚まされる。工事用のフェンスや木材、プラスチック製品などの少し頼りない素材を、独特の色彩感や距離感で配していくインスタレーションである。とりとめのないように見える空間であるが、一つ一つのものが意思を持ってそこにあるのではという気配が漂い始め、ある秩序が生じる。ところがその秩序には少し隙間が空いていて、その隙間から、その場にはないもの、そして外界へと意識がつながってゆき、自然の風の音や、寄せては返す波のように流れてゆく時間をそこに感じるのである。
教授・吉澤 美香